第8回「自動運転」

A「自動運転ってすごい技術だよな」

B「車が勝手に動いて危険を全部回避してくれるってやつだろ?確かに便利そうだよな」

A「だけど便利な反面、機械に全部任せるっていうのは怖いという気持ちもある」

B「例えばどんな風に?」

A「仮に何らかの影響でシステムの一部が動作しなくて、機械同士がぶつかるという予知をしなかったどうなると思う?」

B「衝突間違いなしだな」

A「そうなんだよ。故障しないという前提があればこそ安全は保障されるけど、万が一何かあった時に大きな事故につながるんだ」

B「故障さえしなければ良いのにな」

A「まだあるぞ。システムが万全でも、仮にこれまで通り人が運転する車が一台でも紛れていて、まかり間違って大暴走したらどうなると思う?」

B「相手から向かって来られたら避けるまでもなくぶつかるな」

A「怪我をしなければ損害賠償を払ってもらってトントンになるかもしれないけど、何かあった時にはそれこそ損害賠償では片付けられないな」

B「命あってこその損害賠償だもんな」

A「だからこそ、自動運転っていうのはすごいけど、怖い。かと言ってこのまま人の手であれこれ動かすよりはよっぽど安全かもしれないとも思う」

B「ある程度普及しきってシステムに不備さえ出なければ問題ないんだろうけど、所詮は機械だからな」

A「どこからが道具の責任で、どこまでが人の責任で、そしてどの部分から作った人の責任になるかっていう線引きも難しくなる」

B「作り手の責任もあるのか」

A「生み出した以上、無関係ってわけにはいかないだろう?」

B「でも人の場合はどうなんだろう?自分の子供が犯罪を犯したとしてその責任は誰が償うべきなんだろうな?」

A「子供が小さければ親の責任だし、ある程度大きくなれば子供だけの責任になる」

B「大人になればもはや他人ってことか」

A「人は周りが他人だらけになってこそ一人前になれるっていう部分があるからな。現に中学生や高校生は友達とつるんでなんぼってところがあるだろう?良い歳した大人が集団で戯れてみろ、きしょいだけだ」

B「それを言い始めたら俺たちは大人なのに戯れているから、きしょい。それにこの漫才、誰かを笑わせられてるか?仮に棚に並ぶような品物だとしたら品質に問題アリだと思われてるかもしれないぞ」

A「質が低いネタのせいなのか、笑わない客のせいなのか、ネタを披露している俺たちのせいなのか、良くわからないな」

B「多数決で言ったら三対二で負けてるし、そもそもお客さんを笑わせられてない時点で俺たちに深刻な落ち度があるよ」

A「損害賠償ならぬチケット代の返金もできないしな」

B「今日の分はお前のポケットマネーから出せよ」

A「なんで仕事をしている側の俺が出さなきゃならないんだよ?」

B「つまんないネタを提供しているからだろうが!」

A「・・・自動運転があれば衝突を回避してくれたんだろうか?」

B「自動運転があればボケも起こらないからネタが一生成立しないよ!」

A「逆に良いかもしれないな。ボケとツッコミが発生しないネタ!」

B「前半がまさにそんな感じだったよ」

A「・・・ありっちゃありかもしれない・・・!」

B「それじゃあただのゆっくり解説動画じゃねぇか」

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