第7回「AI」

A「AIに何かを書かせるのが流行ってるらしいな」

B「AIってなんだ?」

A「俺も知らない」

B「なんなんだよ」

A「良くは知らないけど何か文章を打ってみたりデータを与えたりすることでまるで人間かそれ以上のものがそれなりに求めている答えを返してくれる仕組みらしい」

B「1+1とか入れてみたらちゃんと返って来るのか?」

A「それは電卓で十分だろう。むしろ暗算でできるだろう。そうじゃなくて、もっと複雑なことを聞いてもそれなりクオリティの答えをくれるらしい」

B「じゃあ早速。地球温暖化の原因は二酸化炭素の発生が関係しているの?それとも温暖化の結果、二酸化炭素が増えているの?」

A「地球温暖化の主な原因は人為的な活動によって大気中に放出される二酸化炭素です。二酸化炭素が温室効果ガスとして働いて地球の表面の温度を上昇させます。一方で、地球温暖化の結果として二酸化炭素が増えるという現象もあります。たとえば、温暖化によって氷河や氷床が解けると、そこに閉じ込められていた二酸化炭素が放出されたり、植物や海洋の生態系が変化することでこれらの生物が吸収・放出する二酸化炭素量も変わる可能性があります」

B「どうした急に。もっとわかりやすく言ってくれ」

A「要するに、二酸化炭素の発生と地球温暖化は相互に関連しており、互いに影響しあっています」

B「お前、まるでAIみたいだな」

A「そりゃAI通りの回答だからな」

B「は?いつAIに聞いたんだよ」

A「・・・まぁ良いじゃないか。ともかくAIは使い方さえまともなら欲しい答えを出してくれるんだ」

B「じゃあ漫才なんかも勝手に考えてくれたりするのかな?」

A「漫才師A: おい、最近さ、体重計と喧嘩したんだよ」

B「漫才師B: ええっ、なんで?」

A「漫才師A: 俺が「ちょっと太ったかな?」って言ったら、「お前、嘘つくな!」って言われたんだよ!」

B「漫才師B: あはは、それは笑える!次は減量を真面目に考えようぜ!」

A「(会場から笑いが巻き起こる)」

B「いやいや、ありえないから! どうやったら会場から笑いが巻き起こるんだよ!」

A「この通りやれば間違いないって」

B「いやいや、今めっちゃ滑ってたから!」

A「言ったろう?使い方さえまともなら欲しい答えが返って来るって。お前の質問の仕方が悪いんだって」

A「漫才師A: 最近さ、体重計と喧嘩したんだよ」

B「漫才師B: ええっ、なんで?」

A「漫才師A: 「ちょっと太ったかな?」って言ったら、「お前、嘘つくな!」って言われたんだよ!」

B「(笑いが起こる)」

A「ほら笑いが起こってるじゃん」

B「何をどう見て、笑いが起こってるように見えた?」

A「笑い方も人それぞれなら、捉え方も人それぞれだ」

B「なるべく多くの人を笑わせるのが俺たちの仕事だろ?なに他人様の価値基準に委ねてるんだよ?」

A「・・・それ、誰かの批判?」

B「そう取られてもおかしくないけど、今はそういう話じゃないだろう!」

A「怒り方も人ぞれぞれだね」

B「今日のお前、まるでAIみたいだな」

A「一人じゃないから」

B「それは違うAIだろ、いい加減にしろ」

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