宇宙人、なぜ同族で殺し会っているの?
夕日ゆうや
なんでダメなの?
「なぜ、地球人は同類を殺しているの?」
スーは父にそう訊ねる。
「どうしてだろうな? 俺にも分からない」
「お父さんでも?」
スーは不思議そうに首を傾げている。
「きっと俺たちのことも敵対するだろうな」
「どうして? 僕たちは何も悪いことなんてしていないのに……」
「本当に、なんでだろうな。出会う相手を全て敵と思っている節がある」
「怖いね」
「本当にな……」
俺は悲しくなり、目を伏せる。
「僕たちは争うことなく、ここまでこれたのに」
「彼らはなぜか、不倫も、強姦も、ダメらしい」
「そんな! 大切な命を預かる大事なことじゃない」
「それから相手のものをシェアしたり、同族のハグもダメらしい」
「なんで、ダメなことばかりじゃない」
こくこくと頷いて見せるとスーは訳が分からないと言った顔を見せる。
「子どもを虐待することもあるらしい」
「そんな! 子どもがいなかったら生物として終わっているじゃない」
「うむ。そして彼らは誰が一番正しいのか、裁判を行うらしい」
「正しいってなに?」
「分からん。でも彼らはそれに対して必死で考えている」
「そうなんだ」
「まあ、俺は今回多種族への兵器を持ってきたが、スーどう思う?」
「もう少し彼らを知ってからにしよう。ずいぶんと複雑な生物みたいだから」
「ありがとう。スー」
宇宙船は地球から離れていく。
次の侵略土地を目指して。
宇宙人、なぜ同族で殺し会っているの? 夕日ゆうや @PT03wing
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