第3話 なにも……
僕が高校生になってもソラは後遺症から逃れることはできなかった。
学校に行っている間にてんかんを起こしたら、どうなるか。
僕は不安と焦燥感からか、授業に集中できずにいた。
廊下を歩く時に考えることもあった。
その頃からか、僕は徐々にストレスを貯め込み、精神的に参っていった。
ソラのブラッシングをするのが、散歩をするのが苦痛に感じた。
感じてしまった。
そんな状態で、僕は大学生になった。
それから父がお世話をしてくれることになった。
父は大丈夫と言っていたけど、不安で、心配で貯まらなかった。
大学に通うようになり、僕がたまに家に帰ると、必ずてんかんを起こすのだった。
僕を見て興奮した様子になるのが貯まらなく辛かった。
兄曰く、普段はここまでじゃないとのこと。
なにもしてやれなかった。
辛いだろうに。痛いだろうに。
なにも……。
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