第2話 事故
ソラは一歳数ヶ月の時、僕が小学校六年の時に興奮のあまり椅子に頭をぶつけたらしい。
僕はその当時、学校にいた。
その衝撃がすさまじく、ソラは30%の確率で生き延び、さらに30%の確率で後遺症が残ると言われたらしい。
僕が一番そばにいるべき時にいてやれなかった。その後悔が今でも僕を苛む。
母の意思もあり、生き延びる道を選んだ。
獣医から進められた安楽死は、考えたくなかった。
ソラは生き延びた。
後遺症を残して。
『てんかん』
興奮状態やストレスといった要因で痙攣を起こし、よだれや身体中の震えが止まらなかった。
散歩に行き帰ってくると、その影響からかてんかんを起こすこともあった。
てんかんを起こしている時、ソラがこう言っているように思えた。
『なんで僕なの?』
『なんでこんなに苦しんでいるのに、助けてくれないの?』
と。
実際、僕には何もできなかった。
痙攣で頭を床に打ち付けないように、ベッドに運び見守ることしかできない。
獣医さんのくれた薬はなんの役にも立たなかった。
言われたから出している。
そんな薬だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます