ホシのカナタへ。

夕日ゆうや

第1話 犬を飼うということ。

 小学校五年の時に、うちにワンちゃんが来た。

 生後二か月のシェットランドシープドッグだ。

 鼻筋が白く、茶色と焦げ茶の色合いが鮮やかで、上品な印象を与える。

 そんな犬種だ。


 僕はそんな彼に『ソラ(偽名)』と名付けた。

 毎日のように散歩に連れていき、ブラッシングをし、おやつを与えた。

 それまで二年間は幸せな日々が続いた。

 ただ、ソラは口元を触られたり、口を覆う口輪を嫌った。

 あまり噛みつくような子でもなかったけど、必要なときもあった。

 爪を触られるのもあまり好きではなく、ペットショップのサービスである爪切りを依頼することも多かった。

 基本的に臆病なので、お店とか病院とかにつれていくと、ふるふると震え、怯えきっていた。

 まったく誰に似たのか……。

 焦って食べることが多かったので、お薬とかをチーズにくるんであげることも多かった。

 高級なドッグフードを食べさせると、安いドッグフードをしばらく食べないなんてこともあった。

 ガム系のおやつは嫌いで、ジャーキーやブタ耳とかはおいしそうに食べていた。

 尻尾をぶんぶんと振って嬉しそうにアピールするする時もあった。

 尻尾の付け根辺りを撫でてやるとより嬉しそうにしていた。

 もちろん、うんちやおしっこの世話。

 それにシャンプー、歯ブラシもある。


 ソラはいつも僕を見守っている気がした。



 そんな彼に、僕は何かしてあげられたのだろうか?

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