第2話 出会い
集落から脱走してどれくらいたったのだろう、人目を忍んで森や山の中を移動していた。
集落からでて気が付いたことだが、自分は食料をあまり必要としないらしい。
持ち出した本によると、大気中の魔素を吸収して生きているようだと考察できた。
たまに見かける木の実や、川の中にいる魚を食べる必要こそないが食べたくなる時がある。
そして、本に書いてあった通りに火をおこし魚に火を通していく、近場にあったリンゴと呼ばれる木の実を食べる。
酸味がきいていて他を食べたことがないから分からないが、うまいと感じた。
しばらくして夜になりそうなころ、魚が焼けて食べようとしていると
「そこに、誰かいるの?」
声の方向にふりかえると、少女がいた。黒みがかった紫色の髪をした少女がたっていた。
「ねぇ、そこに誰かいるの?」
なんてこたえたらいいのだろう。少し考えているとふと違和感に気が付く。
「アア、イルヨ。ヨルノモリハアブナイ、チカクニオイデナサイ」
返答はこれでよかっただろうか。人の言葉は相変わらずなれないし、話す相手もいない。ぎこちなくなってしまった感はあるがまあいいだろう。
「近くに、いっていいの?」
「カマハナイヨ、オイデナサイ」
自分はオーガだ、小柄とはいえ普通の人よりもでかく、角も生えている。肌も赤に近い褐色をしていて姿も人のものとは大きく異なる。体格は人に近いがそれだけだ。
なのに、少女はおひえたそぶりもなく近寄ってきた。
鬼な守護者になりまして @kaguya0819
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。鬼な守護者になりましての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます