第34話 人に伝える事の難しさ

今日も刀装具から離れます

急遽仕事の依頼で新幹線で400㌔近い移動をする羽目になりました


先方の会社に到着して役員さんとお話をして、こちらからの情報をお伝えはしているのですが、意図するところが全く上手に伝わらずにヤキモキしました


コンタクトも取れ、軽い冗談も伝わり、世間話も伝わっているのですが肝心の仕事の話になると、わざわざA3で大きく印刷した資料集まで持参して説明しても中々伝わらないのです

説明の後に必ず『要するに〇〇〇〇だという事だね』と言われますが、ことごとくご理解が違って捉えられてしまいます 

全く(要するに)されてはいません


自分の力不足も感じましたがそれ以上に情報の伝達の難しさを思いました


役員さんの顔を見ながら、その時にふと映画を思い出しました


記憶が定かでは無いのですが、昔見た【A.I】という映画でハーレイ・ジョエル・オスメント扮するアンドロイドのデイビッドが映画のストーリーの中盤以降になり、自分自身が人間になる事が出来ない事から自らの電源が切れるまでぬいぐるみと一緒に海底で人間になれるよう祈り続けることを選択します

やがて2000年後という途方もない時間が経過し人類が絶滅してしまってからの世界では、過去に人間自身が作った高知能A.Iが活動をしていて、海底からデイビッドを発見して掘り起こします

発見されたアンドロイドのデイビットは過去に絶滅した人間という生き物の事を知る貴重な証人ですから高知能A.I達はデイビッドの持つ記憶を全て知りたいと考えてケイ素で出来た触手のようなケーブルを結んでデータのやり取りをします

ケーブルで結ぶ訳ですから伝送損失も無く、素のままの情報が複数の機械同士お互いで共有されていく訳で、その後は記憶を読まれた事からディビッドの願いもテンポ良く進んでいきます、とまぁだいぶ記憶違いもあるかと思いますが、そんなSF映画です


上記の役員さんと話をしたときに何を思ったかと言うと、役員の頭に上記のケーブルを結べたらこんな無駄なやり取りをしなくて済むんだろうなぁ、などと会話中に妄想してしまった訳です


確かに【メラビアンの法則】でも、話す側が聞き手側に与える影響のパーセンテージは視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報に至っては、何と7%しかない事は知っています


どんなに熱く語っても相手にはしょせん7%の内容しか残らない訳です


もっと言うならば、日数が経過していくと限りなくゼロに近づき、場合によっては内容が勝手にドンドン付け足されたり脚色され出していきます

セクシー田中さんにも引けを取りません


改めてベンジャミンフランクリンの言葉で

【聞いたことは忘れる。見たことは覚える。やったことは理解する】のだと思った一日となりました

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