第21話 刀友、がありがたく感じた瞬間

この刀装具、刀剣の趣味を持ち始めてから年齢を超えた知人がたくさん出来ました


昔は外車に興味があって知人と一緒に、各県・各店舗に出向いて車を見たり試乗をしたりしました

その当時はまだ今ほど中古車の相場が高くは無く、赤い馬の車の旧車でも程度がそこそこの状態ならば紹介で買う事が出来ました

当時はF40が3500 246GTSでも500 308GTBが250 328GTBが450 348TBでも580で話が出来ましたが、今はそれぞれがトンデモナイ金額になってしまってます


とうとう、買えず仕舞いでしたがその代わり知人が出来てクルマにまつわる各種の面白い話もたくさん知ることが出来ました

とんでもない裏話も内部に入らないと分からない事で、これはどんな分野世界でも共通です


良く、あの時買っておけば良かった、と言われる方がいますが❝あの時❞に買えないならば一生ずっと買えないものです

そんなものです

ポンと飛び込んで行ける人が結局は良い買い物をして、その間も楽しめるものです

趣味の世界と言うものはそういうものだと、ようやく最近になって気付きました

この事は刀剣の数寄者の知り合いに現在進行形で強烈に気付かされています


Nさんという刀友の先輩がいます

この方は刀剣では大変な目利きです

私は今もそうですが、ヤフオクばかりで刀装具を集めていましたので結局大した品物も集められない事を刀友達と話したりしていました

当初はNさんとは大した話も出来ずに世間話をするだけでしたが、これは誰に対しても物凄く心の垣根が高くて同レベルの話が出来る人は限定的で仲良く出来るとは全く考えられませんでした


それなのにちょっとした転機がありました


私の仕事関係でたまたま接点が出来て、色々と説明をしていたところ徐々に刀剣の話に始まり、刀装具の世界にまで会話が出来るようになってきました

最初の頃は今思うととてもレベルの低い話しか出来ていなかったと思います

少しずつ書籍を読んだり、先輩の方々に話を聞いたりしていく内に少しは差が埋まっていると思っていましたが、依然としてレベル差は変わらないと思っています


私がヤフオクで結構高めの価格設定を付けている品物を買ってしまいそうな時には理由を詳細に告げて頂き、結果的に諦めて購入を取りやめたおかげで助かったケースが2度や3度ではありません

助かった合計金額は多分数百万にはなっています

ですから、その分は他のどなたかの元にババ抜きのババとして収まっている訳です


刀剣刀装具には掟や決まり事がシッカリとあります

この決まり事を外した品物には決してホンモノはありません

後代に他人を騙す為に作られた贋作の可能性が120%です


飛び込んで買ってみた品物ならば長い時間楽しめますし、そもそも有名店からも知らず知らずの内に一目置かれるものだと教えられました


ここで色々と教えて頂いたことに加えて、主要な集まりに連れて行って頂いたりして、世の中で称賛を集める刀剣刀装具の本物の素晴らしさも実感出来ましたし、色々な人にも会わせて頂きました

本物の持つオーラは素晴らしくて、ヤフオクの出品物は誇張ではなくて霞んで見えますし本物と比較したら只のゴミ同然です

一つの刀装具で数千万の品物もたくさん見せて頂きました

刀工、金工が心血注いで作り上げた緻密な作品は一時間二時間見ていても飽きる事がありません


ここではまだ書けない色々な事がありますが、利害を超えたこうした刀友の先輩方との(後輩は中々いないのです)勉強の時間はとても楽しいです

まだまだ数十年は頑張って欲しいとつくづく感じます

年齢的に皆さんは口を揃えるように『後は若い人に楽しんで貰えば良いよ』と言われます

実際、集まりに少しずつお顔を見せなくなった先輩もいます

大変に寂しいものですが、教えて頂いた事は後輩を作って自信は少ないのですが何とか伝承していきたいものです












  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る