第14話 前回の誤鑑定の余波ですが・・
前回、協会の誤鑑定の結果を受けて考え方が大きく変わりました
元々、刀装具を集める順番だったり、品物の良し悪しを考えていましたが
ここにきて幾ら後藤極めの高額な品物を集めても作成者が誰なのか?
本当の意味で作者が不明な品物は集めるべきではないな、と感じました
これについては古金工や古美濃についても殆ど似た感想です
後藤、古美濃、古金工と刀装具が並んでいたとして
協会の鑑定もどうやら
後藤に見えないし、古美濃にも見えないから『古金工』あたりに極めよう
古金工に見えないし、後藤でも無さそうだから古美濃
古金工や古美濃、ほど古くないから後藤だろう
後藤ならば桃山か江戸初期江戸中期のどこら辺りが妥当だろう、というというような
区別をしていそうです
共通して言えるのは作者が確たるものではない、という事です
確かに古雅を感じさせる出来だったり、上三代と聞いたり、そもそも伝来が良く折紙も付属していたり鴻池家から出た、とか田安家からの伝来です、とか聞けば
(おおっ!)と思ってしまいがちですが、やはり作者は不明です
百人一首や万葉集でも詠み人知らず、という歌がたくさんあります
その貴重性は揺らがないでしょうが、これらの刀装具のジャンルは自分の欲する分野では無くなってしまった訳です
この同時期には別の分野の刀装具で優秀な作品を目にする機会がありました
ここで見たことが自分に取っての刀装具の本当の素晴らしさについて開眼した気がします(薄っすら目が開いた程度ではあります)
新しく購入したルーペを使い離れた場所からでもその作品の素晴らしさをまざまざと見せつけられ、本当の刀装具の良さと出来の良さを初めて知った訳です
基本的に町彫り作品が多いのですが、ここで見る作品達は今まで見ていたモノは一体何だったのだろう?
とか、あの書籍に載っていた実物はこんなに細やかで綺麗だったのか、
こんなに色使いも綺麗で立体的な表現だったんだ
超絶技巧という名称にふさわしいなぁ、
という品物ばかりです
こういった品物を集めないといけないのだ、という私の頭の中でのメルクマールが出来上がりました
しょせん、ヤフオクレベルの品物とは格が違う事を知った訳でしてヤフオクに出品される品物全般を否定するものでは一切ありません
ただ、ヤフオクに出品する理由は幾つも推測出来ます
●購入店が既に無くなっていた
●飽きたので売却や下取りをしようとしたが購入値段との余りに大きな開きに驚き、少しでも投入金額を高く回収したいと考えた
●偽物だから居住地近くで売却すると自分が所有していた事を知られてしまう
●長く所有していたが鑑定結果が贋物であった
●数が多くなり過ぎて家族から処分を迫られた
等々、幾らも理由はあると思います
ですが、特に最後の処分を迫られた場合でも刀剣と違い小さな箱ですから置き場のスペースはとても限られて龍獅堂ほどの数が無い限りは無理やり処分しなくても本来は問題無いでしょう
一番の理由は世間一般的な価値が無いから、です
本当に良い刀装具ならば数寄者が黙っていませんし、どこに誰々作の刀装具が収まっているかは常に把握されています
これは業者も知っていますし、数寄者も知っています
万一手放す意向があればその業界の噂は早いですから直ぐに次の持ち主の元に納まってしまい決して一般人の手元には出てくることはありません
こういう刀装具は美術、芸術品と同格です
刀剣店に並ぶ事も無くはないですが、店頭では興味の無い人が聞くとビックリする値段設定がされています
それこそ郊外ならば、立派な一戸建てが建てられる金額の品物が幾つも存在します
本当に無駄を省いて刀装具に没頭するならば、このレベルでないといけないと最近は痛感しますね
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