第12話 後藤の金無垢獅子について・・・
またまた前回に引き続いて
赤銅製の後藤の刀装具を何点か譲って頂いたのですが(たまたま小柄ばかりでした)
一つあたり数千から数万円程度の品物です
それらとは別の日に、今までとは毛色の違う品物を拝見して気に入ったもので譲って頂きました
毛色の違うのは金無垢の弐匹獅子目貫だったからです
『特保の証書が付いているよ』、という言葉と『これは古後藤という品物で乗真で間違いないもので乗真の基準作と言える品物だから持っていた方が良い、刀装具や刀剣はおかしなモノをたくさん見るよりも、上作をたくさん見ること
そうすれば自然と目筋が上がって品物が見れるようになってくるものだよ』
と言われ、その言葉にも納得しまして、とどめに
『こういう良い品は定期預金みたいなものだよ』と言われた事で、今までと金額も違って、実にお高い50万円という金額でしたが悩んだ末に譲って頂きました
他の刀装具がテーブルの上にゴチャゴチャと置かれているうえに、後藤の折紙も数枚見せられたりして、折紙自体の真贋についてもレクチャーされていたので購入の是非についての判断が誤り易かったかもしれないです
(古後藤、しかも乗真の極めがついて金無垢で彫りも擦れていないし、後藤の掟にある、山深く谷深し、にも当てはまる、定期預金と同一、ヨシ買ってみよう、という脳内変換です)
打算も働いていて、金無垢ならばそもそも最低限の純金としての価値があるのだから安心だろう、という考えもありました
証書だけは今、手元に無いから、次回の鑑定会の時に渡します、と言われ当日は品物だけを引き取ってきました
次の鑑定会に証書の入った封筒を渡されて、中身は見ないで自宅に戻った後に中身を見ました
極めは、[乗真] ではなく[伝 乗真]でも無く[古後藤]でした
あれ? 話が違わない? と思い返すと確かに乗真の作品だとは一言も言ってはいなかったのです
この時、少しだけ品物と一緒に購入先に対して薄っすらと疑念は湧きました
ですが、欲しくて買った品物
ましてや50万も出した目貫が間違いあるハズが無い、
刀装具の書籍でかなり調べましたが自分には乗真でない理由が分かりませんでした
あれから数年経過したので言える事なのですが、後進の教育と言いながらも恐らくは自分の持ち物を買わせる為にたくさんの品物を見せられていたのかな、とも思います
他の会員も刀剣を譲って貰った話をチョイチョイと又聞きします
何も知らない素人がケガをしないようにして欲しいですし、自身の売買が主目的では無くて純粋に目利きを育てるのならば刀剣刀装具の譲渡はアリだと思います
買う場所や信頼できる店舗も知らない訳ですから
この頃は、日々ヤフオクで落札をした品物が増えていくのと並行して、購入した乗真の金無垢獅子を次回の審査で認めて貰おう、万一乗真でなければ定期預金だと言われたのだから戻させてもらおう、とも思ったのです
次回の審査の受付は1週間先ですから急いで準備をしました
この金無垢獅子と併せて他の品物も数点審査に出してみました
その結果は??? 協会を信用したいのですが、先回書いたように不思議な事が起きました
更に続きます
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