第8話 刀装具を集める手順はどうしたら・・・
共通の趣味を持つ知人を増やそうとしてお話をしたことが何度かあります
一般の方で刀剣に興味が沸いても刀装具への理解は中々進まないと知りました
たまたま知人達と刀の話になったとしても、刀装具についてチラリと話題にしたとして誰も内容の深掘りはしてきません
せいぜいが、『鐔とかの事だよね?』くらいです
だからこちらも『そうだよ』、で会話終了ー
そんなわけで、今は共通の趣味人と語り合うのは半ば諦めてここでの事は自分自身の備忘録として書いている意味が強いのです
私は刀剣の鑑定会を数年過ごすうちに、ひょんな事から鉄鐔の存在を知りました
とは言え、当時は鉄鐔の【良さ】は全く分からなかったですし、今も苦手です
どうして苦手かと言うと、偽物の存在が大きいです
昔から窃盗・強盗・骨董と言われるくらいの危うい世界です
売り手のモラル意識というよりも買い手の自己判断にほぼ責任を持たせてしまい【騙される方が目が利かないのだから悪いんだ】という考え方はそれでも相変わらず中流、下流の骨董取り扱い店ではまかり通る道理です
[さすがに一流店では真っ当に近い御商売だと思います・というか信じたいです]
偽物がたくさん存在する骨董の世界で、刀装具で鉄鐔の真贋見極めが本当に苦手です
どんな美術品や芸術品であっても、欲しがる人間がいれば間違い無く贋作は作られます
これは遥か昔の701年、文武天皇の時代に制定された大宝律令の法典の中でも書かれている事です
つまり刀を作成した場合にはその作者は自身の銘を刀にしっかりと刻みなさい、というものらしいです
らしい、というのは現在では大宝律令の原文は失われてしまい、僅かですが後の様々な文献からでしかその原文の判別が出来ないからだそうです
(後の養老律令然り、続日本紀も然りです)
その法典の中身は多岐にわたり、租庸調という納税システムだけでは無かった様です
し、裏を返せば、刀の作り方にまで細かく制定されたという事は、人間は1300年も以前から偽物作りに悩まされていた、という事の証だと思います
そんな昔から存在する贋作作成システムに抗うのは困難を極めます
何しろ、贋作を作成する人間は場合によっては本物を真横に並べて研究しながら偽物を作るからです
銘も極めて精巧に出来ているモノが少なくありません
贋作で儲けようとする人間ばかりでは無くて、後代金工がお手本になる名工の作品を真似て自身の腕を磨く為に本歌取りするケースもあり、明らかな現代のモチーフが存在する事を刻む作品に刻む金工もいます
ですが大抵のケースでは売買目的の作成ばかりです
模作ですから本物の迫力や意図するデザインの意味を突き止められずに作成しているので迫力がありません
ヤフオクに出てくる刀剣は殆どがこのケースと言っても差し支えない状態です
刀装具も然り、です
現代でも高く売れる可能性があれば、グッチやシャネル、ヴィトンのスーパーコピーも作りますし何ならスイスの高級時計だって山ほどコピーを作ってしまうのが人間です
また贋作と知っていても欲しがる人間がいる事も事実です
出来る事ならば今後も偽物には引っかからずに刀装具も刀剣も収集を続けていきたいものです
さて、次回あたりから刀装具の集める順番について私の考えですが簡単に書いていきます
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