第弐拾伍舞
「ごめんね」
そう謝って
グォッ!
と苦しんで暴れる
「
3年前と同じように呼びかける。
しかし私の声は届かず私を振り落とそうと必死に暴れる。
ずっと掴まっておくわけにもいかないので
3年前と同様
あの時は
でも、今回も同じようにいくのかは分からない…。それに、できるなら
ただ今優先することは住民の避難であり時間稼ぎだ。
今無理に
とはいえ、ずっと1人で
「うぉっ!これどういう状況なんだよ…」
とビニール袋を持って驚く男が一人。
どうやら買い物帰りらしい。
「あなた、避難勧告かなんか出たの知らないの!?」
「そーいやなんか言ってたな…」
軽いノリでそういう
「っ!どうでもいいから避けてっ!」
「そんな大振りなの当たるかよ」
余裕そうにそう言った後、
バカンッ!と
「で、どういう状況なんだよ。これ」
いつの間にやら隣に立っていた
前に見た超スピードだろう。
「あの
「なるほどな…手、貸そうか?」
ニヤ、と嫌な笑みを浮かべる
「人手は多いにこしたことないからね」
と、遠回しに協力をお願いする私
「貸し1だからな」
「…考えとく」
こうして今晩限りのタッグを組むことになった。
「取り敢えず、どうすりゃいいんだ?」
「住民の避難が最優先!とにかく時間を稼いで」
「りょーかい」
お互いにヘイトを分散しあいながら
「ちょっと!今のわざとこっちに近づけてきたでしょ!?」
「んだよ!あのくらいよけれんだろ!」
「そういう問題じゃない!私は
「へいへい」
とそんな軽口を叩けるくらいには余裕があった。
…というより、
何となくお互いにしたいことが分かるのだ。
パズルのピースがカッチリとハマったようなそんな感じ。
「…
インカムからの
「…そう。ありがとう、
避難が済んだならもう大丈夫か。
そう思い静かに頭に付けている桜の髪飾りを外す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます