第9話 Never Bend( vs 超龍)③
○○○
《魔剣ニーズヘッグ》───
それは持ち主の意によって、剣、槍、鞭、弓、さらにはライフル、モーニングスターのように、およそこの世界に現存する全ての武器類に姿を変える従順性を持ち、またそれと同時に強烈な獰猛性をも秘めているからであった。
獰猛性の発露───それこそが暴食龍の名を冠する理由であった。
確かに超絶無比な攻撃力を有する《魔剣ニーズヘッグ》であったが、遣い手を選び、それだけに飽き足らず、遣い手の魔力を枯渇寸前……いや、正確には枯渇し空っぽになるまで喰らい尽くす。
ただ、それだけであれば同様の性質を持つ魔剣は、他にも存在するだろう。
プルミーの持つ《魔剣ニーズヘッグ》が暴食龍と呼ばれる所以は、魔剣としての性質を最も色濃く反映する本形態───《
様々な形態の中でも最も存在が不安定な《
キュイイィィーーーン!!
巨大な機械弓形態となった《魔剣ニーズヘッグ》がさらに強烈な光を放った。機械稼働の音にも似たそれが幾重にも響き渡った。
「お前達ッッ!! 十秒後だッッ!! 私に続けぇぇぇッッ!!」
プルミーは底無しの食欲を持つ魔剣へと、最後の一滴まで己の魔力を食らわせた。
注意すべきは、矢が大地を穿つように絶対に射ってはならないことだ。
「五、四───」
彼女のカウントは最終へと向かう。
《
「二、一───【ディスチャージ】」
それは猛り狂う龍へと告げた、『本能の限り喰らい尽くせ』という解放の文言。
そして───弓の名手たるエルフの彼女ならば、この距離からであれば絶対に対象を外さない。準備はできている。
《
「
いつもは冷静沈着なプルミーの激しい怒号に従い、後方の魔法使い達から放たれた色とりどりの上級魔法が空を埋め尽くした。そしてプルミーから解き放たれた光の矢が煌めきの軌跡と共にマッハを超え───《
「グゥルルルルルオオオオオウウウウウオオオオォォォ!!! 」
戦闘に入ってから初めて聞く化物の苦悶の声が、大気を揺さぶった。さらに遅れて着弾した無数の上級魔法が、《
しかし、最後のイタチッペか、首一つ残された《
「わかってるさ。まだやるんだろ? バケモノめ」
《魔剣ニーズヘッグ》の《
そして、最後に足掻く《
「【
先程、《
──────
フラグは折るために存在していますよね
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