番外編 2
犯人の自白ほど、有力な証言はない。その、はずだった。
取り調べ室、そこは、高度な心理戦が行われる。その情報戦は、極めて困難だ。
探偵が、椅子に座ると、
「私が、やりました。」
開口一番、彼女は、そう言ってきた。
「私が、みんなの飲料水に毒を入れました。」
しかし、この探偵は聞かなかった。いや、聞く気がなかったのだろう。
「多田 名香さん、あなたは、脅されている。違いませんね?」
開口一番、推理を語り出した。
「…え?」
「あなたは、とある組織から濡れ衣を着せられている。あらかた、家族でも人質に取られているのでしょう。とりあえず、仮釈放にしますから、家に帰ってください。」
「いや、違います。私がや…」
「あなたは、脅されている、かわいそうな一般人。それ以外の、何者でもありません。」
「ちょっ……」
「不思議ですか?そうでしょう。しかし、あなたは、無実。事実ではなく真実を私は探るので。」
被疑者の声も届かず、この探偵は、部屋をでた。実に、短い事情聴取だった。
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