第1話 異常な季節

「…魔王をですか?」

ケンイチが俺に聞いてくる。そして俺はこう返した。

「まぁ、正確には魔王代理ということだけれどね。」

そしたらケンイチが

「まぁそうですよね」

とケンイチも納得してくれたようだ。

「ちなみにいつまで魔王代理とやらをやればいいんですか?」


「一か月ぐらいかな…」

魔王代理について教えたらケンイチは納得した。

ちなみに引き継ぎについてはメイが教えてくれるということなので安心して休める…

だからに人間界に降りていこうか。

「頑張れよ、ケンイチ」

そう、ケンイチに言葉を掛けて魔王城から出た。

~~

「ふー…今日めっちゃ寒いな…」

あたりを見れば魔王城以外雪が積もってるな…

「ったく…これなら冬靴持ってくればよかった…」

そう言いながら俺は手から炎を出して雪を溶かしながら進んでいった。

「……あれ?いつのまにか雪なくなった?」

不思議だなぁ…しかも木々に桜が咲いているし…あっ、もしかして…

「おーいハル〜!」

するとどこからか鈴の音が鳴り、だんだんと近づいて…

「わぁ!驚いた?」


「ああ、驚いたな。ところでハル、ついてきてたんだな」

正直ビビった。

「ケントあるところに私あり!ですよ!」

なんか最近ついてくること多くない?そんなことを心の中で呟きつつハルに帰還を促した。

「そ、そうか…でも危ないから魔王城に帰った方が…」

俺がそう言い終わるとハルは黙ったままこちらを目に光が無い状態で見ている。

ヤバいこれはマジモードだ。急いで逃げなければ…!

……あれ?なんか動けないぞ?

足元を見てみればなぜか木に絡まってて動けない…おそらくハルの能力だろう。

「ねぇ…ケント?なんで私を拒絶するの?」

そう言いながらだんだんと近づいてくる

「私のどこが嫌か教えて?直すからさ?」

やばい、ハルの目が完全に闇になっている…やべぇ!

もうこれは本心を伝えるしか……無いな。

「い、嫌では無いよ?」


「じゃあなんで私を拒絶するんですか?」

さらに雰囲気がやばくなった…

「そ、それはハルのような可愛い子が何処の馬の骨かもわからないやつに襲われないために言ってるんだぞ…」


「…………」

あ、あれ‥? 

「えへへへ〜かわいなんてぇ〜えへへ〜」

ふぅ…とりあえず落ち着いたようだな

「えへへぇ~そんなぁ〜」

なんか自分の世界にずっと入ってるなぁ…

此処から遠くもないし早く行こう。




ハル

季節型の魔物で春の能力を扱えることができる

そしてとても美人

ただしハルが出す木に触れたら木の養分になるから気をつけて!

人間からは6レベルとして恐れられている。

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魔王をやめて新たな勇者になります。 海のタコラゲ @omotioic

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