魔王をやめて新たな勇者になります。

海のタコラゲ

プロローグ

「はぁ…」


来る日も来る日も人々に悪の魔王として呼ばれるなんて…憂鬱だなぁ…

「そんなにため息をつかれてどうされましたか?ご主人様」 


「うわぁ!びっくりしたぁ…なんだメイか」

こいついつのまにか後ろにいること多すぎだろ!

「はい!あなたのメイです!」

どこかで聞いたことあるようなセリフと共にメイは俺に問いかけてきた。


「ところでさっきため息を吐かれておりましたがどうされたのですか?」

うわ…最初っから聞かれてるじゃん…どれだけ鈍感なんだよ俺…もしかして俺に魔王の才能なんてない?

「…いや、なんでもないよ」

そういうとメイは俺の目をじっと見ながらこう言った。

「嘘をつかないでくださいご主人様…私、嘘をつく魔族は嫌いなんです」


何かやばい雰囲気を感じた俺はメイに悩みを打ち明けた。

そうしたらメイは…気難しそうな顔をしながら

「まぁ…仕方がないんじゃないんですかね?」

と言った。

「…え?なんで…」

絶句して言葉も出ないが…

魔王ご主人様なんて人々から見たら悪の権化みたいなやつですよ」

と言った。

「……そうか」

結局は俺ってそんなふうに見られているのか…

「そうですよ!あ、もしかしてご主人様人間に好かれていると思いました?」

さっきまで気難しい顔をしていたメイはニヤニヤしながら言った。

「…あぁ、その通りだメイ。ところで、一か月休みたいのだがいいか?」

少しごまかし気味にメイに休みをお願いした。

「いいですよ、ところでなにをするんですか?」


「いや…少し羽を伸ばそうかなぁ…って」

なんかこいついっつも俺が休む時理由聞いてくるのなんでなんだろ、もしかして俺のこと特別扱いしてるのかな?まぁ違うだろ。

「そうですか、ですが魔王がいないとなると色々と困るので代理の魔王を寄越してください。それでは」

バタン

扉が閉まったと同時に、息苦しかった空気が緩やかになってきた。

「さてと…今から代理の魔王を出す儀式、やっちゃいますか」

今からやるこの儀式は正確には分身を呼び出す儀式…まず、生贄としてそこら辺にいる人間を捕まえて贄として置いてろうそくに炎をつけて分身の名を呼ぶ…

贄が居ない場合は魔力の器と魔力もしくは水神の器で代用可能であると、メモ帳に書いてあった。

「贄がいないので魔力の器と魔力で代用するよっ!」

~~

「ようやく終わった…あとは分身の名を呼ぶ…ん?分身の名って自分で考えるのか?」

おいおい…せっかく此処まできてこれはないだろ…

「まぁ一応呼び出してみよう…出よ!ケンイチ!」

そう言った途端目の前にあった魔力のたまった器がだんだんと魔族に似てきた。

そして…ついに…

「あなたが我がご主人ですか?」


「キター!(°▽°)!!!」

やった!成功した!

「あ、あの……」


「……ん?どうした?」

俺は一旦冷静になりケンイチへ話しかけた。

「あ、あなた様が僕のご主人様ですか?」

というかこいつ可愛すぎだろぉぉぉぉ!これ多分人間界だったらモテてるだろぉ!しかもスリムな体型!最高すぎダルォ!!!

「…の…あの!あなた様が僕のご主人様でしゅ…ですか?」

かわいい!噛んだ!かわいい!やばい…当初の目的を忘れそうなほどかわいい!

「………ん?ああ、そうだ敬語じゃなくてもいいからねあと、俺のことはケントって呼んで!」


「わかりました!ごしゅ…ケントさん」

やっぱかわいいなぁ…はぁ…

「さんはいらないぞ」

俺は笑顔で言った。するとケンイチが

「うぅ……ケ、ケン…ト」

恥じらいがあってとってもいい!やっぱかわいい!………あっぶね、この子に代理任せないとダメなんだった。

「いいねぇ…ところでケンイチ」


「はい?どうしたんですか?」


「魔王、やって見ないかい?」









☆紹介タイム!

メイ

メイは魔王城で働くメイドさん!

とっても従順な子で可愛らしい!

メイは元々は人の子だったが魔王に育てられたため魔王サイドである。


こんな感じで紹介するのでよろしく!

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