大学受験編

第1話 軍師長男

 「古文と漢文を捨てる」

 高三の春に長男に聞かされた言葉。当然共通テストには出題される科目。

 

 親が言うのもなんだが、長男は試験戦略に長けていた。

 共通テストが良かった場合、悪かった場合を想定し、どちらでもなんとかなるよう併願校を組み立てた。共通テストの点数のみで合否が決まる私立。逆に共通テストの点数が考慮されない私立。そして本命の国立前期である。あと、国立後期は失意の中受けることが確定なので、自分の得意科目だけで受けられる大学学部を探してきた。

 また、自分の得意不得意や志望校の配点も把握しており、共通テストにおいては、勉強科目の取捨選択を行なっていた。不得手かつ点数の割合が低いということで、本当に全く古文と漢文は勉強しなかった。

 2次の得意科目で逆転できるという自信もすごいと思うが、ハマる人にはハマるがなかなか常人にはマネのできない戦略だろう。

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