第15話 エピローグ

 それから警察が来てユウとハルは捕まった。

 

 二人は殺人以外にも未成年者略取や死体損害、薬物所持などの罪に問われているらしい。亡くなった犠牲者の数は九人にものぼった。生き残ったのは俺たちと松田さん以外に、泊まっていた家族たちも無事だったそうだ。

 

 事件は大々的なニュースとなり、それは生き残った俺たちにも向けられた。雑誌の一部では探偵扱いされるなど、様々なメディアに取り上げられた。



「松田さんはあの近辺に雄太さんの遺体があるのをご存じだったんですか?」

 お墓参りで出会った松田義彦さんに聞いた。

「なんとなくは察していたよ。ずっと息子を探していたんだ」


 息子の松田雄太さんが行方不明になってから仕事を替えて息子を探していたらしい。そして、ヴィラの管理人をしていく中であの二人が怪しいと目星は付けていたようだ。

 

 事件当日、ロッジに来た二人の目をなんとかごまかして逃げ、近くから反撃のタイミングをうかがっていたらしい。


「しかし、犯人がよくわかったね。写真から私が犯人だと思わなかったのかい?」

「遺体は行方不明者全員分ありました。松田さんだったら優太さんの遺体をそのままにしておくはずがないですからね」

 

 松田さんは頷いて優しい眼差しでお墓を見つめていた。


「あのときは助かりました。あなたがいなければ、俺たちは殺されていた」

「お礼を言うのはこっちだよ。息子を見つけてくれてありがとう」

 そう微笑む松田さんは髭を剃っていて肩の荷が下りたようだった。



「立川さんたち学年委員はどうするの?」

「解散するわ。もう目的を達成したから」

 立川は少し暗い顔で学習室の荷物の片づけをしていた。


 学年委員のメンバーだった二人は命を落とした。身近な仲間の死に立川たちはまだ引きづっているようだった。

 

「やっぱり、学年委員って子取り様目的で作られたんだ」

「ええ、そうよ。校則はしばらくはこのまま残るみたいだけど」

 

 悪いことをしてはならないという校則か。


「あたしたちこのまま疎遠になるのも嫌だし、この四人で部を作らない?」

「いいねぇ。俺は賛成だぜ」

「俺も賛成だ」

「わたしも賛成よ」

「でも何部にするんだ?」

「それはミステリー部だよな」

「そうよね。じゃあ、申請用紙もらってくるね」

 森里は笑顔で学習室を出て行った。

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