第40話Shall We Dance?

 アナタはアイドルと『ダンスを踊った』ことがありますか?……俺はある。

 

 「マスターが、『理性の無いバケモノ』に……どうしよう、どうしたら……」

 あのマキアが珍しくうろたえている……

 「マキア、しっかりして!アナタがうろたえていたら、他のメンバーも不安になるでしょう?」

 ミユキがマキアを一喝する。

 「でも、でも、マスターが暴れ出したら、私では止めることが……」

 

 「マスターが言っていたわ、マスターが『理性の無いバケモノ』になってしまったら、私たちの手で葬ってくれ、と」

 「やめてミユキ!私にそんなことできるわけない!」

 マキアが泣きながら跪く……

 

 

 「でも、おかしい……『理性の無いバケモノ』になったのなら、真っ先に近くにいる私たちを襲うはず」

 「えっ……」

 

 「よく見てマキア、マスターの体、まだ完全に赤くなっていない部分があるわ。

 私たちを前にして、時折我慢しているようなしぐさも見せている……

 ひょっとして、まだギリギリ理性が残っているのかも……」

 

 「どうすれば……私たちはどうすればいいの?」

 

 「理性のおかげで、まだギリギリ私たちを襲えないのなら……

 私たち全員で、『想い』と『魔力』を込めて、マスターを攻撃しましょう!

 話しかけながら、魔力を注いでいけば、正気に戻ってくれるはず」

 

 「『想い』と『魔力』を込めて攻撃すればいいのね?わかった」

 マキアの顔に希望が戻り、戦闘モードに。

 

 「みんな行くわよ、まずは遠距離攻撃の私たち弓部隊から!」

 ミユキを筆頭に、カズキ、ジュンが弓を構える。

 「アサルトモード!」

 ミユキの弓が巨大なアーチェリーに変化した!

 

 「マスター、目を覚ましてください!『サジタリアスシュート』!」

 バシューーー!

 ギンッ!

 俺は『対射撃結界』で防ぐ。

 

 「くっ、やっぱり簡単には攻撃を通してはくれない……」

 

 「ならオレとジュンの二人連続で!

 行くぞマスター、『ダークマターアロー』!」

 カズキの矢に闇の闘気が宿る!

 

 ジュンが左手をかざすと、糸が弓の形に……

 「私まだマスターと出会ったばっかりです!お願いします帰ってきて下さい!

 アラクネ流操糸術、『ストリンガーデストラクション』!」

 

 バシューーー!

 ズドシューーー!

 

 バリーーン!

 「ガッ!」

 俺の『対射撃結界』が壊れ、ジュンの矢が俺に魔力を注ぐ!

 

 「やった!」

 「みんな!連続して攻撃よ!」

 「はい!」

 

 

 「マスター行きますよぉー、ちょっと痛いかもですぅ!

 氷の精霊よ 我に宿りて氷結の力高め その息吹で敵を粉砕させ給え!

 氷属性アナグラム 『フロストブレス』!」

 

 アンジュから俺まで氷の道を作り、自分は氷の靴を履き、俺まで猛スピードで突っ込んでくる

 「アドバンスドアーツ、『氷足』!……からの、『アンジュインフィニティ』!」

 ズガガガガガッ!

 

 俺の目の前で高速回転し、キックを無限に当て続ける!

 「ぐわあっ!」

 思わず俺は吹っ飛ぶ。

 

 「みんなぁ~後は頼みましたよぉ~~」

 アンジュは目を回し、その場に倒れる。

 

 「次は私が、シイナ!」

 「うん!『透明薬バージョンⅡ』!」

 ミイナの持っていた『飛翔扇』がみるみる透明に。

 「アドバンスドアーツ、『インビジブルブーメラン』!」

 

 バババババーーーー!

 透明になったミイナのブーメランが、俺めがけて飛んでくるのがわかる。

 ガキーーーン!

 俺は後ろを向き、『対射撃結界』で防ぐ。

 「そんな!」

 

 「さすがマスター、あの状態でもかなりの強さ……通常なら攻撃を当てるのだけでも困難を極めるけど、でも私たちなら!」

 マキアの目に力が戻る、気力を限界まで高める……

 

 「今度は私が!おいで、『デゴちゃん』!」

 モミジが呼ぶと、モミジの後ろに砂が集まってきて、ゴーレムの形に!

 「バオオオオオオーー」

 

 「砂に代わって、デコピンよ!デゴちゃん、『ゴーレムデコピン』!」

 「バオオオーーーン!」

 ドガァァァッ!

 俺は『対打撃結界』で防ぐが、後ろに吹っ飛ばされる!

 

 吹っ飛んだ先にはマリネが!

「連続で行きます、マスター、届いて!」

 マリネの前に魔法陣が展開……『水』『水』『水』『風』

「海神よ 我に力を貸し給え 深淵を除くとき 深淵もまたこちらを見ている 水流よ 全てを飲み込む穴となれ

 大渦属性クアトログラム、『メイルシュトロム』」!」

 ドドドドドォォーーーー

 

 空気中の水分を集めて、巨大な大渦を発生させ、俺にぶつけた!

 「うおおおお」

 俺は『対魔力結界』を張るが、ダメージは通る。

 「ぐはっ」

 俺は大渦に巻き込まれ、そのまま地面に落ちる。

 

 「今だ!畳み掛けましょう!リイナさんお願い!」

 「うん!」

 リイナはライカの耳元で囁く。

 「推しは推せるときに推せ!」

 ギュピーーーン!

 

 「クレイジートランス!がああああああ!」

 バーサーカーのライカが、フルトランス状態に!

 「アドバンスドアーツ、『バーチカルアックス』!」

 ジャンプしたライカが回転しながら、垂直に斧を振り下ろす!

 ドカーーン!

 バリーーーン!

 俺の『対斬撃結界』を破壊した!

 

 「まだまだーーーー!マグマドラゴンちゃんたち、お願い!」

 ヒメノが叫ぶと、地中から三体のマグマドラゴンが飛び出してきた!

 「バアアアアア!」

 「三体のマグマドラゴンを一つに!『レイジングドラゴン』!」

 三体のマグマドラゴンは回転しながら一つに融合、巨大な炎のドラゴンになって俺に突撃!

 

 「うおおおお」

 俺は『対魔力結界』を張って耐える。

 

 「マ、マスター、私、マスターに帰ってきて、ほ、欲しいです!」

 ララが泣きながら訴える。

 「新アドバンスドアーツ、『大号泣』!」

 「うわああああーーーん!」(エコー)

 「あああーーん!」(エコー)

 「あーーん!」(エコー)

 

 「ぐああぁっ!」

 俺の『対魔力結界』は割れ、ヒメノとララの攻撃をまともに受け、その場に倒れる!

 

 「マスター、ごめんなさい!」

 スレイプニルのクリスが俺を抱えて、そのまま上空まで駆け上がる!

 「アドバンスドアーツ、『スレイプニルダンカー』!」

 上空から一気に地上へ急降下!そのまま俺だけを離して、地上に激突させる!

 ドガガアァッ!

 「ぐうぅっ!」

 

 「ノノアさん、お願い!

 そういってリョウが『床落とし』を上空高く放り投げる!

 

 「うん、すみません」

 ノノアの前に魔法陣が展開……『風』『風』『地』

 「雷雲を携えしもの 大気を震わせ 大地を穿ち給え 秩序を乱すものに罰を 雷よ落ちよ  落雷属性ハイアナグラム、『メガボルト』!」

 ガカァッ!

 

 「レゾナンスアーツ、『巨神おとし』!」

 ノノアの雷の魔法を受けて、床落としが雷を纏い、俺めがけて落ちてくる!

 ズガガガガガッ!

 「ぐああああっ!」

 

 スミレが『ネクロノミコン』を開く。

 「怨霊の章、怨霊操作、呪いの力よ 我が前に収束せよ!」

 スミレの前に、いくつもの怨霊が集まっていくのがわかる……

 「マスター、マスターが『転移病』なんかに負けるわけない!私は信じてます!

 アドバンスドアーツ、『呪霊砲』!」

 バアアアアア!

 「うああああ!」

 

 「マスター、『妄想力』頂きます!

 イマジネーショントレース、『ロウリュウ』!」

 マロンが白い湯気の、巨大な龍に変身した!

 「スチームブレス!」

 バオオオオオーー!

 「があああ!」

 

 「マスター、私に『笑顔』と『進化』をくれて、ありがとうございます!

 今度は私がマスターを助ける番です!」

 ナーガのコマチが空に指をさすと、巨大な氷塊が、俺めがけて落ちてくる!

 「アドバンスドアーツ、『氷瀑ひょうばく』!」

 ドドドドドーーー

 

 「『エクスプロードブロウ』!」

 バキバキバキバキッ!

 俺は巨大な氷塊を粉々に!

 

 でも空にはセイレーンのミライが待っていた。

 「あー、ア~、アーー……」

 「ミライ……『チューニング』している……?」

 

 「アドバンスドアーツ、『デスヴォイス』!」

 ミライは大きく息を吸い込む!

 「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ーーーー!」

 もの凄い『がなり声』!俺は一瞬気を失いそうになる。

 

 

 「マスターのおかげで、この技使えるようになりました!見て下さい!

 アドバンスドアーツ、『炎の剣』!」

 イフリートのユカリが、手刀の炎を白色にまで高める!

 「『烈火白炎剣れっかびゃくえんけん』!」

 ドバババババーー!

 「うおあああっ!」

 俺は炎に包まれる!

 

 トレントのジュリとココが、肩を組んで待っていた!

 「ココ、行くよ!」

 「さすがに今回は私も気合い入れるよ!」

 「レゾナンスアーツ、『親子の絆アターーーック』!」

 バリーーーン!

 二人の突撃をくらい、俺の『対打撃結界』は割れ、岩盤まで吹っ飛ばされた!

 「がはっ」

 

 俺の前に、メデューサのメメが立つ。

 「マスター、さすがにマスターに『メデューサ・アイ』は使えませんが、妾の魔力、受け取って下され」

 メメは自分の首にかかっていた石のペンダントを俺に投げる!

 「行け!『ストーンヘンジ』!」

 ドカッドカッドカッ!

 俺は『対射撃結界』で防いだ!

 「さすがはマスターですじゃ」

 

 メメの前に魔法陣が展開……『風』『地』『地』『地』

 「シーン・セイジ・クロム・ブリズナン・バズレイン

 石の神 岩の神 固き意思のもと かの者を石棺に封じたまえ

 岩石属性クアトログラム、『エアーズロック』!」

 ガガガガ……ズズーン!

 巨大な岩の中に俺を閉じ込めた!

 ドガガガガッ!

 俺は『エクスプロードブロウ』で脱出した。

 「ハァ、ハァ、ハァ……」

 さすがの俺も膝をつく。

 

 「マスター……私だってマスターの事、くっ……」

 カレンが、腰のダガーを抜いて構える。

 「アドバンスドアーツ、『影足えいそく』!」

 カレンは影の中に消え、瞬時に俺の影から現れた!

 「アドバンスドアーツ、『ファントムセイバー』!」

 ザザシュッ!

 「がああっ!」

 

 「やった、死角からの攻撃!今よ!」

 「マスター、このままさよならなんて寂しすぎる、私は許しません!」

 アマネの前に魔法陣が展開……『光』『光』『光』『光』

 「レンズ・リング・ロンド・アークソルタ・ネイジー

 光よ 光子よ 閃光の力解き放ち 世界を光明で照らし給え

 光属性クアトログラム、『フォトンブラスター』!」

 眩い光線が幾重にも重なり、俺に降り注ぐ!

 「がっがああああ!」

 

 「私もべロスちゃんもめん太も、諦めが悪いのが取柄とよ!」

 マコトがめん太に乗って突撃してくる!

 「行くとよめん太!『アサルトモード』!」

 「メエェェーー」

 めん太は黄金の金属の体に!

 「『カプリコーンブラストーーー』!」

 バシューーーン!

 「ぐああああ!」

 さすがの連続攻撃に、俺もふらつき、動きが鈍くなる……

 

 「マスター、帰ってきてください!みんな待っていますよ!」

 カスミが泣きながら俺に叫ぶ!

 「一人レゾナンスアーツ、『アマノイワト・烈』!」

 カスミは『アマノイワト』を変形させ、棘のある『攻撃型』にして突っ込んできた!

 「シールドバッシュ!」

 ズガーーーン!

 「ぐはっ!」

 

 「マキアさん、今です!」

 「『対打撃結界』、展開!」

 シュシュシュン!

 「アドバンスドアーツ、『雷足らいそく』!」

 バリバリバリバリバリ!

 マキアは『対打撃結界』を稲妻のように駆け巡り、一瞬で俺の頭上へ!

 

 「お願いマスター、戻ってきて、マスターーーーーー!」

 俺も巨大な『対斬撃結界』を何重にも張る!

 「おおおおおおお」

 「はああああああ」

 マキアは回転しながら俺に『マキアカリバー風神』と『マキアカリバー雷神』をクロスして振り下ろす!

 「マキアクロスインパクトーーーーー!」

 ガガガガガガガ!!

 バリーーン!

 バリーーーン!

 バリーーーーーーン!

 俺の結界が割れていき、マキアの剣が直接俺に当たる!

 「ぐあああああああ!!」

 「マスターーーーー!」

 ズズガガアアアアアアアーー!!

 俺とマキアはそのまま地面に叩きつけられる!

 

 「マスター、マスターーーーー!」

 泣きながら叫ぶマキア……

 

 *****

 

 その時、俺の意識は、真っ暗な世界にいた……

 真っ暗な世界で、俺は静かに、ゆっくりと下に落ちて行っていた……

 

 俺はなんとなくわかった、下はここよりさらに暗く、落ちたら二度と戻れなくなると……でも体の自由が利かない、無理をしたせいか?まったく動かない……

 ゆっくりと、少しずつ、俺は下の方に落ちていく、このままでは……

 

 その時、俺の体を抱きかかえる人影が……

 俺は、助かったのか……?

 その人影は一つ、ため息をつき、話し出す……

 

 「まったく無茶しやがって、オレがいなかったらヤバかったぞ」

 聞き覚えのある声……

 

 真っ暗な世界の上の方が、少し明るくなり、そこからかすかに声が聞こえる……

 「マスター、帰ってきてください……」

 「マスター、戻ってきて!」

 「マスター、マスターーーーー!」

 

 「あ……あ、あ……」

 俺は無意識にその光に向かって手を伸ばす……

 あの場所に戻りたい……体が勝手に反応していた……

 

 俺を抱きかかえていた人影は、クスッと微笑むと、

 「……訂正するよ、『オレと彼女たち』がいなかったらヤバかった……にな」

 そう言ってその人影は、ゆっくりと俺を上の方へ運んでくれた……

 光と、彼女たちの声のする方へ……

 

 *****

 

 「マスター、マスターー!……」

 俺の上に馬乗りになり、泣きながら叫んでいるマキア……

 「お願い……帰ってきて……マスター、マスター……」

 「……お」

 「えっ……」

 「……重い」

 「マスッ……」

 「マキア、少し太ったんじゃないか?」

 「マスター!」

 マキアはアイドルらしからぬ、泣いてぐしゃぐしゃの顔に。

 

 「だから、それはセクハラですよ……マスター」

 マキアが泣きながら微笑む。

 

 「マスターーーーー!」

 「マスター!」

 他のメンバーたちも駆け寄ってきた。

 

 「よかったですぅマスター」

 「……マスター」

 「マスター、もうダメかと……」

 

 

 その時、空から一枚のカードが、俺の手元に降ってきた……

 「これは……?」

 俺はそのカードを手に取り、確認する……やっぱり『死神のカード』だ。

 

 「そうだマスター、コンドルは?また復活するのでは……?」

 「いや、もう復活はしないだろう……これで終わりだ」

 「えっ……なぜわかるんですか?」

 「このカードを手に取ったとき、頭の中に声が聞こえたんだ……」

 「声……ですか?その声はなんと?」

 「一言だけ……『ごちそうさま』と……」

 

 

 ◆場面変わって、また真っ暗な世界……

 コンドルが一人立っている。

 「……ここは?現実ではない……精神の世界か?……」

 コンドルは自分の体を確認する。

 「フム、先ほどのギガンティックマスターの魔法で、相当なダメージを負ったからな……復活に時間がかかっているのか……?」

 

 コンドルが後ろを見ると、青い火の玉が浮かんでいる……

 火の玉は徐々に人の形になっていく。

 「お前は……?」

 

 「初めまして……ボクは『死神』」

 「……ッ!死神!?」

 「お前の前の所持者よりももっと前から、『死神のカード』の中にいて、

 お前たちに能力を授けていた……」

 

 「能力……『不死』の力か」

 「う~ん、まあ正確には『不死』ではないんだけど……

 そうそう、お前が前の所持者を殺して『死神のカード』を奪ったこともわかっていたよ。わざわざ食べなくても、お前に力は渡そうと思っていたのに……

 ボクは悪に染まったものが大好きだからね、フフフ……」

 

 「私はいつ復活できる?」

 「復活?ああ、復活はもうできないよ、言っただろ?カードの能力は『不死』じゃないからね」

 「そんなバカな、現に私は何度も復活した」

 

 「あれはね、『不死』じゃない、輪廻転生の『先取り』だよ」

 「『先取り』?」

 「人間はね、死んだときにまた人間として生まれることができる『輪廻転生』というものを、生まれた時から持っているんだ」

 「『輪廻転生』……聞いたことがある」

 

 「最初、その『輪廻転生』できる数は決まっていてね、生きている間に『徳』を積むことで、その回数を増やすことができるんだ」

 コンドルは訝しげに死神を見る……

 

 「でもお前は、生きている間に『徳』を積むことは無く、回数はすでに決まっていた」

 「……」

 

 「もうわかっただろ?お前は自分の持っていた『輪廻転生』の回数を『先取り』していただけなんだ」

 さすがのコンドルの顔にも焦りが浮かぶ……冷や汗が頬を伝う。

 

 「今の戦闘でお前の持っていた『輪廻転生』の数はゼロに……つまりすべて使い切ってしまったというわけさ」

 「そんな……では私は……どうなるんだ?」

 死神は少しの間黙り、そして少し微笑む……

 「どうもしないよ……何も無い……」

 「何も……無い……?」

 

 「この先は何も無い……ただただ暗黒が永遠に続く……

 死ぬわけでもなく、戻れるわけでもなく、ただ永遠にこのまま……」

 「ただ永遠に……このまま……?」

 

 「そう、さあもう考えるのはやめよう……すべては無駄なことだ、この先は『何も無い』のだから……」

 死神がそう言うと、コンドルが少しずつ小さくなってく……

 大人だった体は子供の体に、そのまま赤ん坊に、そして胎児になり、魂に。

 死神はその魂をつまむと、そのまま自分の口に……

 パク……ゴクン……

 「う~ん、やっぱり、悪に染まった魂は極上だ……『ごちそうさま』……

 ハッハッハ、ヒーヒッヒッヒ……」

 真っ暗闇の中、死神の笑い声だけが響く……

 

 

 〇俺side

 

 マキアや他のメンバーの肩を借りながら、やっとこさ歩く俺。

 

 七長老やライゴウも駆け寄ってきた。

 「まったくアンタはとんでもないやつだね、下手したら本当に図書館島が沈んでいたかもしれないよ」

 館長がキレ気味で話す。

 

 「まったくデース、今度どっちが本当の『世界一の右腕』か、勝負しまショウ!」

 「いや、それは勘弁してくれ団長」

 

 「ファルセインの攻城戦の時もかなりの強さだったが、ここにきてさらに強さが増したな……お前が『理性の無いバケモノ』にならなくて、心底ホッとしている」

 「大丈夫だよライゴウ、たとえそうなってもきっと『異世界あいどる24』が何とかしてくれたさ」

 

 マキアもなぜかキレ気味で、俺に話し出す。

 「まったく、マスターはいつもそうやって無計画に突っ走りすぎなんです!

 魔界やレイブンの時もそうです、たまたまうまくいったからいいものを……」

 

 「あ~~~~」

 俺は小学生がやるように、耳を手でパタパタさせて聞こえないフリをした。

 「マスター!ちゃんと話を聞いてください!」

 「あ~~~~聞こえませ~~~ん」

 追いかけまわすマキア、逃げる俺。

 みんな笑ってる、戻ってきたいつもの日常……俺、帰ってこれてよかった。

 俺の中にいるあいつにも、今度ちゃんと礼を言わなきゃな。

 

 

 その後、俺たちは図書館島で丸一日静養させてもらい、体力魔力とも完全チャージ。

 頬の部分にまで広がっていた俺の『転移病』は、メンバーの魔力供給もあり、すっかり回復。心臓のとこに、ほんのちょっとだけ丸い刻印が残っただけに。

 

 

 その場にカレンとハーミットがいたので、『魔界のタロットカード』の事を話す。

 「お前の持っている『魔界のタロットカード』、『隠者ハーミットのカード』は、カードに認められれば能力を得ることができるが、その見返りに犠牲や対価が必要になるらしい……

 『超聴覚』の能力は惜しいが、やっぱり危険だから、没収させてもらうぞ」

 「わかりました……残念ですが、仕方ありませんね」

 『隠者ハーミットのカード』……今度魔界にいるコウに渡すことにしよう。

 

 

 外に出ると館長が待っていた。

 「アンタに見届けてほしいことがあるんだ」

 そう言って俺をグリフォンに乗せ、『雷の民の島』へ。

 

 雷の民の島の宮殿の前には、ライゴウと雷の民たちが集まって話し合いをしていた。

 「ライゴウがまた旅立つから、みんなで見送りしているのか?」

 「それが、そうじゃないんだよ……」

 

 「お願いですライゴウ様、『雷の民の島』の首長に、ぜひなって下さい!お願いします!」

 「お願いします!」

 なるほど、現在空席になっている『首長』を、ライゴウにやってもらうか……

 確かに今回暗殺組織からサザバードを救ったし、実力も折り紙付きだ。

 

 「私が『雷の民の島』の首長に……?

 私が百騎士になるかどうか迷っていた時、島民たちの態度が急に冷たくなって……

 島を捨てたと思われて、てっきり嫌われたのだと」

 

 「ライゴウ様の背中を押すために、みんなでわざとやったんです……

 今思い返しても胸が痛くなります」

 「そうだったのか……みんな、ありがとう」

 雷の民たちとライゴウは、抱き合いながら、当時を振り返る……

 

 そのままライゴウは俺と館長の方へ……

 「館長、お願いがある、私を『雷の民の島』の『首長』にしてくれないか」

 「ああ、願ってもない……ついでに空席の『七長老』もやってもらうよ。それが条件だ」

 「わかった、よろしく頼む」

 

 こうして空席だった『雷の民の島』の『首長』は、元百騎士のライゴウが務めることに。あいつならうまく立ち回れるだろう。

 

 「そうそうギガンティックマスター、アンタにカイエルのラーマイン王から手紙が来ていたよ」

 「ラムじ……じゃなかった、ラーマイン王から?」

 「アンタ魔界に行っていたんだろ?多分その報告と、今後の計画の事じゃないかい?」

 「あ、忘れてた……」

 俺はファルセインのメギード王に、大陸中の他の王様たちと、

 今後の対応について話し合ってくれと言っておいたのをすっかり忘れていた。

 

 俺は急いでメンバーを全員集め、オルタナティブドアで騎士国カイエルへ。

 

 *****

 

 「なんじゃとぉーーー、すでに魔界は平定して、解決済みじゃとぉーーー!?」

 「はい……報告が遅れてすいませんでした、ラーマイン王……」

 ラーマイン王は、頭を抱えながら玉座に座り直す。

 

 「頭がクラクラしてきおったわ……まったくおぬしらは……」

 カイエルの玉座の間には、メギード王や、サザバードの館長、そしておそらく北の『ヴァロン帝国』の王族など、その他そうそうたるメンバーが集まっていた。

 

 「魔界との全面戦争の可能性があるからと、軍備を整える準備をしておった所じゃったのに……」

 「その心配はないです、魔界の最大派閥『魔角族』と不可侵条約を結びましたし、

 第三勢力である『吸血鬼族』の魔王は、うちのメンバーのコウですから」

 

 「まったくおぬしというやつは……規格外にもほどがある」

 横でメギード王と館長が声を殺して笑ってる……

 「メギード王、おぬしの報告が少しオーバーだったという可能性もあるのでは?」

 ラーマイン王がメギード王を睨む。

 「い、いえ、そのようなことは、決して……」

 

 北の『ヴァロン帝国』の皇帝が、俺に話しかける。

 「しかし、魔族を全面的に信用するのはいかがなものか……

 裏切って吸血鬼族を支配し、そのまま地上侵攻してくる可能性もゼロではあるまい?」

 

 「まあモチロン可能性はゼロではありませんが、何かあればコウからすぐに連絡が来るようになっていますし、俺の『オルタナティブドア』も、魔界に直通できるようになったので、定期的に様子を窺うようにはするつもりです」

 「フム……ならば問題は無いか」

 

 ラーマイン王はため息を一つ……

 「まあよい、今現在侵攻の可能性がほぼ無いというのなら、それに越したことは無い……しかもギガンティックマスター殿、おぬしはサザバードに攻め入った『暗殺組織デスサイズ』をも壊滅させたようじゃな?」

 

 「はい、一応組織の『ボス』と『幹部』は倒しましたが、他の構成員などはまだかなりの数いるかと…… 掃討作戦をお願いできますか」

 「うむ、それぐらいはこちらでやらんとな……ヴァロン皇帝、メギード王、館長、それでよいな?」

 「了承した」

 「はい」

 「わかったよ」

 残党の掃討作戦は、任せて大丈夫そうだな……

 

 

 「しかしこれだけの功績をあげたのじゃ、何か褒美を与えたいと思っているのじゃが……」

 「いえ、別に今のところ欲しいものは無いので……結構です」

 「おぬしならそう言うじゃろうと思っておった……

 せめて盛大に『凱旋祝賀舞踏会パーティ』を開こうと思うのじゃが……」

 「『凱旋祝賀舞踏会パーティ』……ですか?」

 ずいぶん長いパーティ名だな……

 

 二日後、

 カイエル城の大広間を使って、盛大な『凱旋祝賀舞踏会パーティ』が催された。

 音楽隊による生演奏や、豪華な食事、お酒が振舞われた。

 大陸中の有力者や、貴族たちなど多数招待され、あの広い大広間が人でいっぱいに。

 

 俺たち『異世界あいどる24』のメンバーも、みんな豪華なドレスに着替えて登場した……

 「おおぉぉ……」

 「キレイ……」

 

 さすがはアイドル、豪華なドレスも難なく着こなし、一流の貴族たちの視線も独り占め。その振舞いも、さながら上流階級の貴族のよう。

 

 ちなみにアンタッチャブルズたち『魔界の魔物たち』は、俺の擬態魔法『メタモルフォーゼ』で人間に変身済み。

 ※スライムのマロン以外。

 

 「さあ、ギガンティックマスター殿、今回の主役はおぬしじゃ。

 大陸中の有力者や、貴族たちに顔と名前を覚えてもらえば、今後の活動にも役立つのではないかの?」

 う~ん、俺としてはあんまり目立つことはしたくないんだが……

 この世界から『奴隷』や『人さらい』を一掃したい俺にとっては、彼らの協力は大きな力となる。

 

 「これだけの活躍をしたのじゃ、今後はおぬしも『英雄』扱いじゃな」

 「えっ……それではもう『不夜城』や『闇市』には入れなくなるんですか?」

 「フォッフォッフォ……

 そこは余の特例で、闇市にも出入り可能にしておこう」

 「ありがとうございます、助かりますラーマイン王」

 夜の民のヨヨと『色神しきがみ』にもまた会いたいし、

 闇市にはまだ掘り出し物がたくさんあると思う。

 

 

 「さあではメインイベントじゃ、音楽隊スタート!」

 ラーマイン王の合図で、音楽隊が舞踏会の音楽を奏でる……

 参加している王族や貴族の人たちが、広間の中央にて踊り始める……

 

 「うわぁ……映画とかで見たまんまだな」

 目の前には、まるで映画のワンシーンのように、貴族たちが舞踏会の踊りを踊ってる。

 

 

 マキアの方を見ると、男の貴族たちがマキアに群がっていた……

 「是非私と一曲踊ってくれませんか?」

 「いやいや、是非私と」

 「抜け駆けとはけしからんぞ……私と踊って下さい!」

 

 マキアは丁寧に頭を下げ……

 「申し訳ございません、私が踊る人は決まっていますので……」

 そう言いながら俺のほうに歩いてきた。

 

 「マスター、私は踊るならマスターとがいいです」

 「えっ……いや、でも、マキア踊れるの?」

 「はい、一度見てもう覚えました」

 スゲー、さすがはアイドル、ダンスの振付を覚えるのはお手の物か……

 

 「でも、俺は全然踊れないし……」

 「とりあえず見よう見まねでやってみましょう」

 一応男性から誘うのが習わしらしいので、俺からマキアにダンスのお誘いをしてみる……

 「一曲踊ってくれませんか」

 「はい」

 

 俺とマキアは広間の中心へ、みんなが注目している……超緊張するんですけど!

 曲が始まり、俺とマキアは踊り出す。

 ……でも当然できるわけがなく、マキアの足を踏んづけたり、手が逆になったり……

 「ご、ごめんマキア」

 「大丈夫ですマスター」

 

 俺は現実世界では何にもできないただのイチ平民……こんな場所でアイドルと踊るなんて、ハナから無理に決まっている。

 恥ずかしくなってもうやめようと思った時、ミユキがアラクネのジュンに何か頼んでいる……?

 「ジュン、お願いできる?」

 「私に任せちゃって下さい!」

 

 そう言ってジュンが俺たちの方に近づいてきて、手を伸ばす。

 「アラクネ流操糸術、『デッドエンドマリオネーション』!」

 ジュンの指から糸が飛び出し、俺の体に刺さる。

 「さあマスター、行きますよ」

 「うわわわわッ……体が勝手に……」

 

 ジュンの『デッドエンドマリオネーション』で、俺の体は勝手に踊り出す!

 「わわわわ……こ、こりゃスゲー!」

 俺はまるで一流ダンサーのように、軽快にマキアとダンスを踊る……

 「わあーーー」

 「素晴らしい……」

 

 周りからは羨望の眼差し……

 一部の男性貴族からは、怨恨の眼差しも……

 

 「ジャジャン!」

 ダンスが終了した。

 「パチパチパチパチ……」

 鳴りやまない歓声と拍手……マジで照れる。

 俺とマキアはその場で一礼し、みんなの元へ戻る。

 

 「いや~緊張した、こんなに緊張したのは小学校の学芸会の時と、高校受験の時以来だ」

 

 「マスター、まだあとメンバー二十七人待ってますから」

 「は?」

 

 ……この後本当に二十七人と踊るハメになる俺。

 ホントこのメンバー達は冗談が通じないというか、常識から外れているというか……

 

 ヘトヘトになり、個室で一人寝ていると、ドアが開く音が……

 ギイィィ……

 「フフフ……一人で寝ていますねマスター」

 アラクネのジュンだ。

 

 「フフフ……とうとう『アラクネ流操糸術』の秘儀を、使う時が来たようですね」

 そう言うと、ジュンは寝ている俺の手を取る。

 「私のこの『アラクネ・アイ』を使えば、マスターの小指から伸びる『運命の赤い糸』を見ることができるのです」

 ジュンが目を見開くと、俺の手の小指から伸びる赤い糸が浮かび上がる……

 

 「こ、これは!?」

 俺の手の小指からは、三十一本の赤い糸が伸びていた!

 「なんと、普通は一本なのに、ライバルがこんなに……恐らくメンバー全員がマスターの『運命の人』……」

 どうやら俺の運命の人は、メンバー全員の三十一人いるらしい。

 

 「フ、フフフ……しかし、私がここですべての糸を外して、私の一本だけを繋げば……マスターの運命の人は私ということに」

 ジュンは俺の手をとり、持ってきたハサミを構える……

 「いざっ……」

 

 ガシィッ!

 その時、俺のもう片方の手が、ジュンのハサミを持った手を掴む。

 「マスター!起きていたのですか!?」

 「……ジュン、お前の心の声、すべて丸聞こえだったぞ」

 

 「マズい!」

 ジュンは糸を切れず、そのまま逃げ出す!

 「こら!ジュン!」

 「えへへマスター、他の糸は切れませんでしたが、私の糸はマスターの小指に繋げておきましたから!おやすみなさーい」

 ピューーー

 

 「まったく、ジュンのやつ……」

 俺は自分の手の小指を見つめる。

 「俺の『運命の人』か……」

 

 俺もいつかはメンバーの誰かと結ばれちゃったりするのだろうか……?

 それは誰なんだろう?

 そしてその時、他のメンバーは?

 「……」

 

 バチンッ!

 俺は気合いを入れるように、自分で自分の頬を叩く。

 「今そんなこと考えてもしょうがない、俺は、メンバーと、今を精一杯生きる!

 今はそれでいい!」

 

 俺はベッドから飛び起き、扉を開けて、メンバーの待つ大広間へと歩き出す……

 

 俺たち『異世界あいどる24』の冒険は、まだまだ道の途中だ……

 

 ☆今回の成果

 

  ファースト マキア(102)装備 マキアカリバー風神 マキアカリバー雷神

  ファースト ミユキ(99)装備 射手座サジタリアスのゾディアックビースト

  ファースト アンジュ(99)装備 武神の脚甲・改 武神の闘着

  ファースト ノノア(101)装備 魔導王の杖 魔導王のローブ

 

  セカンドシスターズ リイナ(98)装備 癒神の杖 ドミニオンローブ

  セカンドシスターズ ミイナ(98)装備 超飛翔扇・改 ガルーダの衣

  セカンドシスターズ シイナ(98)装備 真・錬金術セット 錬金王のローブ

 

  ナイトメアウェイカー カレン(96)装備 ファントムダガー 幻影の装束

  ナイトメアウェイカー モミジ(95)装備 砂王の扇 デザートドレス

  ナイトメアウェイカー アンズ(95)装備 ドラゴンロッド・改 閃帝の衣

  ナイトメアウェイカー ライカ(94)装備 地神の斧 ベヒモスメイル

  オッドアイズ カスミ(94)装備 モリブデンの盾×四 ベヒモスメイル

  オッドアイズ リョウ(94)装備 床落としマークⅡ ファイアドレイクの鎧

  オッドアイズ マコト(95)装備 モリブデンの鞭 オーロラの衣

  オッドアイズ スミレ(95)装備 魔導書 ネクロノミコン 賢王のローブ

 

  イレギュラーズ アマネ(91)装備 精霊王のほうき 光輪のローブ

  イレギュラーズ マリネ(91)装備 ワダツミの槍 ウェットスーツ

  イレギュラーズ ヒメノ(90)装備 地脈のハンマー ファイアドレイクの鎧

  イレギュラーズ ララ(90)装備 神獣の爪 神獣の衣

  イレギュラーズ カズキ(91)装備 ダークマターボウ ダークマターメイル

  イレギュラーズ コウ(110)装備 魔界のタロットカード 大魔王のローブ

  イレギュラーズ アユム(89)装備 ナイトメアリング 幻王の衣

  イレギュラーズ クリス(90)装備 神獣の脚甲 神獣の衣

 

  アンタッチャブルズ アラクネのジュン(87)装備 アラミド繊維の糸 妖糸の衣

  アンタッチャブルズ スライムのマロン(86)装備 なし

  アンタッチャブルズ ナーガのコマチ(88)装備 虹の杖 大気のローブ

  アンタッチャブルズ セイレーンのミライ(86)装備 カラオケのマイク ヌエの衣

  アンタッチャブルズ イフリートのユカリ(88)装備 不燃の手袋 不燃の衣

  アンタッチャブルズ トレントのジュリ(88)装備 神樹の枝 神樹の衣

  アンタッチャブルズ トレントのココ(85) 装備 神樹の葉 神樹の衣

  アンタッチャブルズ メデューサのメメ(87)装備 猫ちゃんのアイマスク ネイルアートつけ爪

 

 

 ◆風が舞う図書館島……

 フードを被った老人風の男が、一人歩いている。

 

 少しキョロキョロ探した後、砂に埋まっていた『右手首』を掘り出す……

 丁寧に砂をはらい、観察する。

 少しニヤリと微笑んだ後、おもむろに腰に下げた鞄を開く。

 鞄の中には、他の誰かの『左手首』も入っていた……

 

 「ククク……もうすぐだ、もうすぐ『あの者』が覚醒する……

 『やつら』に対抗するため、『手駒』は多いに越したことは無い……フフフ、ハハハハ……」

 

 そう言いつつ、その男は『右手首』を鞄の中に入れ、そのまま風の中に消えていく……

 

 ギガンティックマスターと、メンバー達はまだ知らない……

 これから『ギルギル』で起こる、更なる『争乱』を……

 

 

                      To Be Continue

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