第7話もう一人のマスター
アナタはアイドルに『命がけでかばわれた』ことがありますか?……俺はある。
「はーい!僕の名前は『イチヒコ』っでーっす。
そっしてー、こっちはダチの『テンマル』っすーシクヨロー!」
「……なんだ、こいつ」
どうみても見た目現実世界の『パーリィ―ピーポー』なやつが、仲間とごっついモンスターを数匹引き連れて俺達の前に現れた……十代後半くらいだろうか、派手な装備に派手な杖、魔導士っぽい。
「そのクエスト、僕もエントリーするから!」
はあ?テメーこのクエストがどういうクエストかわかって言ってんのか?
妹の存在と、ノノアたちの罪のリセットがかかってるんだぞ!
とりあえずあいつ『アナライズ』してみるか……あれ?『アナライズ』できない!?
「あ、今僕のことアナライズしようとしたでしょ?
ざーんねーん!プレイヤーはプレイヤーのことアナライズできないんだなーこれが。知ってたー?」
こいつ……『転移者』なのか!?
なんでこんな『チャラ男』が……もっとまともな奴いるだろうに。
「なんか珍しいクエストみたいだしさ、腕試しに丁度いいと思うんだよねー
おじさん、僕にこのクエスト譲ってくれない?」
「お、おじさん!?俺はまだ二十五だぞ!」
「十九歳の僕からしたら二十五歳は充分おじさんだと思うけどなー……まいいや、お兄さん、クエスト譲ってよ」
「ヤダ、絶対ヤダ」
「ケチ―」
「あのーギガンティックマスター様、よろしいでしょうか……二組のチームが残ったので『四天王戦2on2』で選考したいと思うのですが……」
受付の人がバツが悪そうに会話に入ってきた。
「ん?ギガンティックマスター?そう言えば何回かその名前聞いたことあるなー」
「イチヒコ君、宿屋でもモンスター屋でもギガンティックマスターの話してたよ、有名だし、かなり強いみたいだよ……大丈夫?」
『テンマル』だかってあいつの相棒がコソコソ話しかけてる。
「相手が強いからこそやりがいがあるんじゃないか!……『ギガンティックマスター』か、その名前かっこいいな。
ただ戦うだけじゃつまらない、僕が勝ったらその称号をくれ!」
「えっ……そんなことできるの?」
俺はマキアに聞いてみた。
「一応お互い合意のもとであれば『称号』を譲るということはできるみたいです……ただ一度譲ってしまうと、マスターはもう二度と『ギガンティックマスター』とは名乗れなくなりますが……」
うーんそれは嫌だなあ……
その時、イチヒコってやつの首にかかってるネックレスがキラッと光った。
!あれはひょっとして……
「お前そのネックレス、スペシャルガチャボックスで確率0.3%の激レアアイテム、『星と命の勾玉』じゃないのか?」
「お?さすがよく知ってるね。
これ手に入れるために一回五千円のスペシャルガチャを三十回も引いちゃったよ」
五千円のガチャを三十回!?十五万円も?……こいつ、『重課金者』か。
俺のような『微課金者』では到底手に入らない代物……欲しい。
「よしわかった、俺の『称号』とお前の『星と命の勾玉』を賭けて勝負しようじゃないか」
「おおーそうこなくっちゃ」
「大丈夫ですかマスター、もし負けたらもうマスターと呼べなくなるかも……」
「お前がいれば大丈夫、マキア、俺の事をおじさんと言ったあいつをギャフンと言わせてやれ!」
「あ旦那、マキアさんは選考会でられませんぜ」
「え?なんで?」
「旦那が『選考会はナイトメアウェイカーで』と言ってたから、受付には『異世界あいどる24・ナイトメアウェイカー』で登録しちまった」
そりゃまずい、ナイトメアウェイカーの今のレベルは二十ちょっとくらい……相手はモンスターが多数で、レベルも二十代後半……ちょっと、いやかなり分が悪い。
「四天王戦2on2を開始します、準備してくだサイ」
うわーしまった、むザイくんが来てしまったー!しかたない、最大限できることをしよう……
「むザイくん、俺達は『宣誓』をする」
『宣誓』……それはこのギルギルのバトルシステムの1つ。
自らに『縛り』をつけることで、好きな『フィールド効果』を選択できる。
縛りは『アイテムを使わない』『特定のキャラを使用しない』など様々あるが、今回俺たちが選択するのは……
「宣誓する、俺達は『
「宣誓を承認しました、では『フィールド効果』を選択してくだサイ」
よし、あとはあのフィールド効果があれば……あった。
「フィールド効果『全員のHP平均化』を選択する」
「承認しました、全キャラクターのHPを平均化します、確認してくだサイ」
これでHPの格差は無くなった。
相手はモンスター多めのパーティだから、HPが平均化すれは大分マシになるはず。
「あれれ、なんか相手が随分有利になったような気がする……まいっか」
……あいつがアホな奴で助かった。
「ではバトルフィールドに転送後、六十秒後に開始します、準備してくだサイ」
そういった直後、俺達は転送された……今回は『岩場』らしい。
◆場面が変わって『イチヒコ』チーム側。
イチヒコ・テンマルを中心に人間達で固まり、その周りをモンスターで囲む陣形をとっている。
「HPが平均化したとはいえ、攻撃力・防御力・魔力はそのままなんだ、このままひと塊で移動して正面からやり合えば、間違いなくこっちが勝つ……お前達陣形を崩すなよ」
「まもなくバトルスタートします、3、2、1、スタート」
スタートと同時にイチヒコチーム達の後ろの岩陰から異世界あいどる24チームが飛び出す!
「ナ、ナニー!奇襲!?」
〇……そう、俺たちが考えた戦略はこれ、『奇襲』だ。
最近の色んなMMORPGでも、最初から奇襲ができるようなバトル形式は数多くある。
「き、奇襲なんて、ズルいぞ!」
「いーやズルくないね、彼の剣豪『宮本武蔵』も言っていた、戦いは舞台に上がる前からすでに始まっている!奇襲は立派な戦法だ!」
虚を突かれたイチヒコ達は為す術もなく陣形を崩しまくり、散り散りに逃げ出していた。
「よし、とりあえず正面衝突は回避できた……こっからが俺たちの本領発揮だ。
向こうには『シーカー』がいなかった、このゲーム『シーカー』がどれほど大事なのかあいつらに教えてやる」
『シーカー』はサーチ能力にすぐれ、相手の位置や情報を探ることができる……俺も一応サーチは持っているが、範囲・精度とも本職にはかなわない。
「カレン!」
「はい、『サーチ』!」
カレンを中心に波のようなものが大地を駆け巡る……
「……ここから西の方角に五人、おそらく『イチヒコチーム』、そして北東の方角にも四人確認しました」
「北東の方が『テンマル』ってやつだな、確かパーティに『ハーピー』がいた。
空を飛んでいるものはサーチにかからない」
「やつらまだ慌てて体勢を立て直しているとこだろ?やるなら今ってわけだな?旦那」
「そういうことだ、まずはサーチにかからないハーピーからだ、行くぞ!」
「おう」
俺たちは全員で北東のほうへ駆けていく……いた、『テンマル』のパーティだ。
「モミジ、ハーピーをパーティから引き離せ」
「わかりました……
風よ 切り裂くものよ 悪しき者より空を守り給え 風の竜よ舞い上がれ 風属性アナグラム 『ツイスター』!」
モミジの扇から竜巻が巻き起こり、ハーピーを直撃!
さすがは砂の民、竜巻の中に砂や石を混ぜて威力を上げている……ハーピーはクルクル回りながら降下していった。
「ハーピーはニビルたちに任せて、俺たちは残りのやつを狙うぞ」
「了解」
「くそーよくもハーピーを……お前達各個撃破だ、一対一ならこっちの方が有利なんだ、行け!」
テンマルの合図で一斉にこっちに向かってきた、タイマンに持ち込む気だ。
相手のウエアウルフがカレンを襲う!
スカッ!
「ッ……これは『ファントムシフト』!」
「こっちですよ!」
油断したウエアウルフをカレンとモミジが倒す……いい連携だ。
「マスター、ライカが狙われています!」
「あーライカはいいんだ、一人で大丈夫」
相手のウエアタイガーがライカに襲い掛かる!
「テメェ一人か?もらったぜー」
「
……ライカのクラスは実は『バーサーカー』。
特殊技クレイジートランスを使うと、全能力が二倍になる代わりに敵味方の区別がつかなくなる。
だから味方は逆に近づかない方がいいのだ……ライカに任せておけば、ウエアタイガーの方は倒せそうだな。
「ギガンティックマスター、覚悟!」
後ろの岩陰から、テンマルってやつと剣士が俺を狙って攻撃してきた!
「はい待ってました」
サーチで相手の位置がわかってる俺に奇襲なんて無駄だよ。
ズボッ!
「な、何だこれは!?泥!?」
「泥属性アナグラム『マッドゾーン』で罠を作ってみました、どう?」
「クッ……ハマって、抜け出せない……」
俺の前の魔法陣に属性が表示される……『光』『炎』『風』
「ミリタリス・ビー・オージャ・ダナドゥ 我 光弾を操り敵を屠るものなり 光弾属性ハイアナグラム『ヴァーミリオンレイ』!」
ドキュキュキュッ!
俺の手から無数の光弾が放たれ、相手に打ち込まれる!
「ギャア――――!」
よーし、テンマルってやつのパーティは全滅だな、あとはイチヒコってやつだけだけど……
「カレン、サーチしてみてくれ」
「はい、サーチ!……五つの反応がこちらに向かっています」
「よし、ニビルたちと合流して迎え撃とう」
*****
「ギガンティックマスター、よくもテンマルをやってくれたな……仇は僕がとる!お前等、行くぞ!」
敵のオークがアンズに襲い掛かる!
「いいぞ、まずは相手の回復役からだ!」
「ハイヤー――!」
バキッ!
アンズの棍棒がオークの武器を弾き、さらに突きを喰らわせる!
「ボクの『宝林寺活人拳』、舐めないでよね」
アンズをその辺のヒーラーと同じにしてもらっちゃあ困る。
アンジュの格闘技術とリイナのヒーラー能力を両方持ってるようなもんだからね。
「ウ、ウガガー?」
?……あのオーク、自分の持ってるバスタードソードを全然使いこなせてないじゃないか……
「うわーー」
「おい、しっかりしろ!僕が詠唱を唱えられないじゃないか!ヒーラー、早く回復を!」
「は、はい、ヒーリング!」
……あの男戦士、戦士なのにビビっちゃってるし、女性ヒーラーも回復量が全然足りない。
イライラ……
「おい、お前もモタモタしてないで早く弓を射ろ!いい加減にしないと他のやつに変えちまうぞ!」
あいつ……イライラ……
「旦那、あいつら思ったより強くなさそうだぜ、このままいけば勝てそうだ」
「ちょーと全員ストーップ!」
「?」
「マ、マスター、どうしたのですか?」
「ちょっと戦闘中止だ、みんなそのまま」
全員キョトン顔……そりゃそうだ。
「お前、イチヒコって言ったな?ちょっとこっち来い」
「えっ、は、はい」
「お前、今までロールプレイングゲーム、何個やった?」
「えっ、えっと……三日前に始めたこのギルギルが初めてだけど……いつもは女友達とカラオケ行ったり、クラブで踊ったりしてるから……」
「チッ……この『リア充』め……」
「えー、舌打ちって……」
「どおりでお前の四天王のクラスとステータスが合ってないと思った……お前、ちゃんとメンバーをアナライズしたのか?」
「あ、いや、ちゃんとは……」
「お前、ロールプレイングゲームを舐めすぎだ……
まずそこのリザードマン、何でアーチャーなんかやらせてるんだ?硬い鱗が自慢のリザードマンはバリバリ前衛の壁役『タンク』に決まってんだろ!」
「そ、そうなの?」
「そしてオーク、あいつは後衛だ」
「え?オークもHP高いから前衛じゃあ……」
「あいつは『メイジオーク』っていう特殊な種族で魔法が得意なんだよ。
だからちゃんとアナライズしろって言ってんだろ!」
「は、はいすいません」
「それから、なんでその女性にヒーラーやらせてんだ?」
「いやーやっぱり回復は女性かなーっと」
「ステータスを見ろ、腕力が桁違いだ。
あの女性ならオークの持ってるバスタードソードも簡単に扱える」
女性ヒーラーがオークからバスタードソードを受け取ると、軽々と振り回し始めた。
「えー言ってよー」
「あの男戦士、あいつがヒーラーだ。
しかも全体バフもかけることができる優秀な『バッファー』だ」
「え?バッファー?かけられるの?」
「はい、やってみます……
炎虎襲来 其の者 赤き衣纏いて 剛力を携え 炎の如く攻める力となれ 炎属性アナグラム『ブレイズエンチャント』!」
イチヒコのパーティメンバー全員に攻撃力と防御力アップのバフがかかった。
「全体にいっぺんにバフをかけられる奴は希少なんだぞ……俺もできるけどな」
「このバフ、すごい……お前こんなに凄かったのか」
「あと、自分のパーティメンバーはもっと労われ!四天王はな、NPCと言えど仲間だ!仲間ならもっと大切にしろ……NPCにも『心』があるんだ、覚えておけ!」
「マスター……」
「あ、あの……なんか、ありがとう……強くしてもらっちゃって」
「はっ!ゲームの事になるとつい熱が入っちゃって……よし、バトル再開だ!いくぞ!」
「よ、よし、リザードマンは前衛に、オークと男ヒーラーは後衛、女戦士は僕の詠唱をカバーだ」
「了解」
とりあえずさっきの続きから……って、押されてる?
「マスター、このリザードマン、私のダガーが全く効きません!」
「旦那ぁ、オークの魔法と女戦士の攻撃が激しすぎて、敵のマスターに全然近づけねーよ」
「マスター、敵をこんなに強くしてどうするんですかー!?」
「わーみんななんかゴメーン!」
なんかオークが詠唱唱えてるー!?
「天の水辺より力を与えよ 水竜よ 天より舞い降り 瀑布となれ 水属性アナグラム『カスケード』!」
「うわあーーー」
やばい、ニビルのパーティがまともに食らった!
「だ、旦那……あとは、頼んだ……ぜ……ガクッ」
あーニビルがやられちまった……こいつはまずい。
戦力差がありすぎて歯が立たない……
「みんな、一旦引くぞ、『エアリアルエンチャント』!」
全員にバフをかけ一旦離脱……岩陰に隠れて体勢を立て直す。
*****
「とりあえずサーチしてみよう……どうだ?」
「イチヒコチーム、反応が三つになっています」
「……空を飛べる奴に変更したのかもしれない、二名までなら交代可能だからな」
「どうしますマスター」
「やはりサーチだけじゃキツイな……こんなこともあろうかと一応持ってきておいてよかったぜ」
ここで登場現実世界の最強アイテムその④『ドローン』。
携帯電話とGPSが使えるならと思って持ってきた、無線操縦で飛行する小型無人機だ。
現実世界でも色んな種類のものが、大分安価で手に入るようになった。
「よし、画像が見えてきた……三人固まっているな、イチヒコと男ヒーラー、女戦士だ」
俺は腕を組んで暫し考える……
「やはり奇襲しかない……いくぞ!」
俺たちは二手に分かれて、イチヒコ達を挟み撃ちにするため、後ろの岩陰に潜んだ。インカムでタイミングを合わせて……今だ!
スカッ!
「エッ!?」
これは……『ファントムシフト』!?
「キャーー―!」
ウワッ!?みんな沼にハマってる?『マッドゾーン』だ!これって……
「待ってたよギガンティックマスター、テンマルの時の罠、パクらせてもらいました」
「お、お前いつの間に……
ていうかテンマルを倒した時、お前はいなかったハズなのに、何で知ってるんだ!?」
イチヒコは笑みを浮かべながら右手で空を指さした。
その先には……やっぱり『ハーピー』と『ペガサス』、さらに上には……
「!!」
さらにその上には十数機もの『ドローン』が……
俺の持ってる一万円の『初心者向き』なんかじゃなく、一体十数万はするであろう、軍事用でも使える高級ドローンだ……忘れていた、あいつも『転移者』だったことを。
「マスター!」
ライカだけはなんとかマッドゾーンから抜け出せたみたいだ。
「ライカ来るな、お前は逃げろ!」
「これで僕の勝ちは確定だねギガンティックマスター……いや、もうその名で呼ぶこともないかな」
くそー万事休す……
イチヒコの前に魔法陣が浮かぶ、『風』『風』『炎』……
「天空の狭間 気高きモノよ 炎と風纏いて天より来たれ 地上に降り注ぎ 焦土と化せ 大気圏属性ハイアナグラム『アトモスフィア』!」
天より炎の塊が落ちてくる!
「うわあぁぁーー」
……ってあれ、俺ダメージ無い!?
よく見るとライカが俺をかばって倒れている!?
「ライカ、しっかりしろ!」
「マスター、無事でよかった……」
「ライカ!ライカー!」
他のメンバーもライカが心配らしい。
「大丈夫だ、戦闘不能になっちゃったけど、気絶してるだけだ」
「えー!?なんで!?どうしてギガンティックマスターやられてないの!?」
イチヒコがまるで化かされたように騒いでる。
「……これが四天王の特殊技『サクリファイス』だ。
四天王との『キズナ値』を最大に上げることで稀に発動する……プレイヤーのピンチの時に四天王が自分の判断でマスターをかばい、戦闘不能となる代わりに、プレイヤーはダメージを回避することができる」
「そ、そんな技が……」
「お前はどうだイチヒコ……
お前の四天王はお前をかばってくれるのか?今度は俺がお前を試してやろう」
俺の前に魔法陣が浮かぶ、『風』『風』『炎』……
「ソラ・レムリス・レクス 地上に降り注ぎ 焦土と化せ 大気圏属性ハイアナグラム『アトモスフィア』!」
「ひ、ひいぃぃー!」
天より炎の塊が落ちてきて、イチヒコに直撃……煙が晴れる……
「あれ!?僕……生きてる?なんで?」
イチヒコの足元には、イチヒコの四天王たちが横たわっている……
「お前達……どうして?」
「……イチヒコ様、あなたが私たちをただのNPCだと思っていたとしても、あなたが私たちを手に入れるためにしたクエストで、私たちは救われたのです……やっぱりあなたは、私たちの『マスター』、なの、です……ガクッ」
「みんな、僕のために……」
「なんだよ、お前ちゃんと『マスター』やれてんじゃんか……少し見直したよ。
戦闘はまだ終了していない、続きといこうか」
「僕は、マスター的にも、プレイヤー的にも、アナタには叶わない。
ギガンティックマスター、僕の、負けです……」
「ギブアップ!ただ今のバトル勝者『異世界あいどる24・ナイトメアウェイカー』です。確認してくだサイ」
(あっぶねぇー、このまま戦ってたら確実に俺の方が負けてた……やっぱりアホな奴で助かった)
「ギガンティックマスター、約束の『星と命の勾玉』を差し上げます……そして、アナタの事を『師匠』と呼ばせてください!」
「は?師匠?勘弁してくれよ」
「いえ、こんな女の子ばっかりの四天王で、僕のモンスター四天王を倒すなんて、やっぱりアナタは只者じゃない……でもなんかどこかで見たことがある娘もいるような……」
「何?お前まさか、国民的アイドル『あいどる24』知らないのか?」
「え?『のびざかり48』?……あー僕あんまりテレビとか見ないんっすよねーアイドルよくわかんないっす」
「……」
「あれ?師匠?」
「イチヒコ、テメー、ちょっとこっち来い」
「え?あの、師匠?……顔、目が怖いっす、ちょっ……誰か、たーすーけーてー」
……俺はイチヒコをオルタナティブドアで自宅へ連れて行き、そのまま五時間ぶっ続けで『あいどる24』の素晴らしさを説教したのは、言うまでもない……
☆今回の成果
『星と命の勾玉』を手に入れた
イチヒコが弟子入り?
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