ぼく

あさのたけし

本編

俺は腹部を銃弾が貫通し、赤い血が当たり一面広がる中、意識を失う。目が覚めると目の前に合わせ鏡のように俺が居て、何やら赤ん坊のように抱かれている。夏風シロが夏風シロを抱きている。

「生まれてきてくれてありがとな。シロ」とそっちは気づいてない。夏風かなでも、嬉しそうに泣いている。一回きみの夫は死んでるというのに。「死」「性」「生」。所詮は生きるしかないのだ。「シロ、はいお乳だよ」。でも記憶がない。セックスした記憶も、そこから生きた記憶も、何故腹部を銃で撃たれたのかも。もしかしたら本当の俺は、俺じゃなくて今産まれた俺が本物。そもそも俺はここに存在するのだろうか。

人間は一度しか生きられないというのが、一般論であり大多数の意見だと思うけど、"もしも"もう一度START出来るならResetせずにcontinueしてみようかな。

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ぼく あさのたけし @ggang_745

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