(つづき)人が騒ぐのはSNSのせいである。
昔、「日本」というタイトルの新聞があった。三面記事がゼロで、毎日あれを見るだけで気持ち良かった。ああいう新聞やSNS記事は現代、到底存続できない状況であるという。
今年の正月にノースクリッフ
そんな三面記事も、客観的に純粋に正しく書かれれば有益でありうる。たとえば議会や公判の筆記でも、それが忠実なものなら、全ての人の何らかの参考になり、少なくとも心理学者の研究材料になることは多いだろう。そして、SNS記事全廃後の、代わりとなる社会記事はできるだけ純粋な客観性を持っていてなおかつ科学的であってほしい。そういう意味においての有益かつおもしろい記事を、Yahooニュースの群落を漁りに漁っていると一つや二つ発見することができる。
もし仮に私が編集者になって週刊や旬刊の社会欄を編集するとしたらどういう記事を
・裏町の下水に落ちた犬を拾ってあげた子供の記事
・自動車が衝突して両方の運転手が謝っていた記事
こういったものも適切に描かれれば有意義である。
・公園の花だより
・動物園の鳥や動物の消息
これらも何らかの深い観察があれば何かを読者に与えうる。
それよりも、起こりそうで起こらない、しかし起こる可能性は常に存在する過失、危険、災いの芽を摘発し注意を与えることがいっそう有益である。例えば公共インフラの不完全あるいは破損のために将来必ず起こるべき怪我や病害を、とかく不手回りがちな当局者に先立って発見し注意したい。電車の駅の不完全な救助システムや不潔なイス、倒れそうな石垣やくずれそうな崖、病原菌や害虫が育つ水たまりやゴミ箱(現代ではかなり改善されていると思う)、亀裂が入りかかっているせいで地震が来たら壊れて断水を引き起こすだろう水道管・水道橋、キャッシュレスシステムを備えているのにそれが壊れている自動販売機や、何らかの外部からの力が加わったために切れてしまっている電線。こういう種類のものを報道して一般の注意と当局の注意を喚起したい。
社会の風紀を乱すような
こういう探究批評摘発は、純粋な「好き」という気持ちがモチベーションになっているのがよい。不備に対して当事者を攻撃し誹謗中傷するよりも、むしろ当事者の味方になり、そして一般読者とともにその不備を除去する方法を講究する機関となることを心掛けたい。そういう心持ちがもう少しはっきり表現されていさえすれば、現在のSNS記事でももう少し気持ちの良いものになりはしまいか。
以上の理想を実現させるためにSNS運営企業はあらゆる実務や学術技芸はもちろん、一般思想上の各方面について第一流の人たちを記者として網羅しなければならない。これは随分困難なことかもしれない。しかし私は「社会の先導者」としてのSNSのほんとうの使命を果たすためには、それはむしろやむを得ない当然のことではないかと思っている。根底を安定させないと、あらゆる方面の先達となるのは無理なのではないだろうか。
このような考えから私の「実験」は、一つの夢のような大SNS運営企業の起業に移っていった!
(つづく)
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