お手伝いさんの章 其の十四 誕生日はやっぱ鍋でしょ?
今日は11月22日、そう!
晩ご飯は何が食べたいか?と聞いたところ『
今夜は、
『きりたんぽ』というのは、すり潰したご飯を竹串などに握りつけて、焼いたもの。因みに、視力が裸眼で0.1のボクが、遠目からきりたんぽとミルク味の棒アイスを並べられても分からないのである!
さて、はじめにメインのきりたんぽを作る。使うお米は『あきたこまち』。これ重要な!この品種はふっくらモチモチで、おにぎりを作るのにも適した秋田県自慢の娘なのだ!温かいあきたこまちを、冷凍保存パックなどの厚手の袋に入れて、しゃもじなどですり潰す!(まぁ、1番はすり鉢使用な)。粒が半分くらい残る感じになったら、お手々に塩水を付けて割り箸に握りつける。んで、まな板などでコロコロして形を整えたら、茶色い焦げ目がつく程度焼くぅ!あとは割り箸を抜いて、斜め切り。はい、完成!!うわっ、美味そう……かぶりつきてぇ。うーん、そう、これは味見だ、味見なんだ!……ハフゥ、もぐもぐ。美味ぁ!
し、しまったぁ!1本食うてもーた……。
さぁ、気を取り直して、もうひとつの主役は日本三大地鶏がひとつ『
さてさて、コイツのガラでとった出汁に濃口醤油、砂糖、日本酒でお鍋つゆを作っておく。これで下ごしらえ完了!後は
……と、間もなくして仕事を終えたあぐちゃんと、その付き人をしていたのんちゃんが帰宅した。
「ただいまぁ。ううっ、寒かったぁ」
「えっ!ちょっと!
「いやぁ、流石『なな色イルミネーション』のあぐ様だわ」
「フフフッ
ク、クッソゥ!可愛い……この
「
「イヤイヤ、ボクってば、お手伝いさんなので!あ、
「ありがとう。楽しみ!さ、お姉ちゃんお風呂行こっ」
よし!こっちは追い込みをかけるぜ!
下ごしらえした鍋つゆの中に、ゴボウ、マイタケ、人参、その他諸々、そして比内鶏!煮えにくい素材から中火で煮立てる!
グツグツ……
よし!次!きりたんぽとネギだ!そしてラストを飾るのは『ななイル』ならぬ、『七草がゆ』メンバーのひとり……宮城県産の『せり』!この子は食べる直前にサッと煮て、シャキシャキで頂く!
「
「わぁ、凄い!美味しそう!」
ハゥウ!!
「ではでは、あぐちゃん、のんちゃん……お誕生日おめでとうぉ!!乾杯ぃ!」
「ありがとう!!」
グラスの音色と、
「あのー、
「うん、あったよ。『ななイル』のメンバーと事務所のスタッフさんたちで。なんで?」
「イヤ『なんで?』じゃねぇでしょ!そっちに行かずお手伝いさんと祝うって、逆になんで?でしょうが!」
「
「そうそう、双子だからね。思考回路も同じなのかも……ああっ!せりがフニャフニャにぃ!!」
「え?うわっ!ごめんなさい!
「セーフ!せりがまだシャキシャキだぁ!美味しい」
「比内鶏につゆが染み込んで凄くジューシー!そして、きりたんぽ……」
のんちゃんは、きりたんぽを箸でつまみ上げると、あぐちゃんと視線を合わせ頷き合った。
「せーの!!」はむっ……
「んー!もっちもち!!」
「ご馳走様でしたぁ!!」
「フゥー、めっちゃ美味しかったぁ!」
「3人で鍋を囲むと、何だかとても楽しかった!」
美味しかった、楽しかった……最高だよ、ボクってば本当に幸せ者だぁ!!
「え?なんで
「
ぐぉっ!危っねぇ!!いやらしい事考えてなくて良かったぜ……
「あ!えっと、あの……ボクってば、
「えー!何何っ?」
「イヤそんな期待されると出しづらいでしょうが……今持ってくるね」
な、なんだこの緊張は?なんか、こう、アクセサリーとか期待されてたらどうしよう?いざ、渡して苦笑いとかされたらヘコむどころじゃないぞ……ええい!もう後には引けない!行くぞボク!了解ボク!
「はいこれ、改めて誕生日おめでとう!!」
「……」
「……」
「えっ……ちょっ、待っ……」
やったか?やっちまったか?苦笑いすらされねぇとか……ううっ
「あ、あのぉ……ちょっと期待ハズレだったかな?ハハッ。失敗、失っ……え?あれ?」
ボクってば、ワケが分からんかった。夢とか妄想……?いや、現実逃避?あれ?でも、やっぱ温かい……
鍋のあとで、少し汗ばむくらいだったのに、凄く心地の良い温もりだった。やっぱ……ボクの方が幸せ者でしょうが。
「
のんちゃんの優しい微笑みは、いつも隣りでボクを癒してくれる。
「
あぐちゃんの照れたような笑顔、『ななイル』あぐの時には見せない、ボクにとって特別な笑顔だ。
「ところで
「ヤダお姉ちゃん!そこは聞かないの!」
「あー……あー……ぶ、ぶら……」
「あれ?
「ヤダお姉ちゃん!やめてよ!恥ずかしい……」
Happybirthday !Sweet twins!!
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