おもてなしの章 後編 恐怖!市松人形
「う、ううっ……あれ?」
気が付くと、ボクはリビングのソファーの上で横になっていた。
「あ!お姉ちゃん、
のんちゃんは、眉を八の字にして、心配そうにボクの顔を覗き込んだ。あぐちゃんは、何故か赤面しながら不機嫌な表情で寄って来た。
「そうだったのかぁ。それはご迷惑をお掛けしました!」
「え?てか、
「はい?うーん、龍が食中毒を起こしていたのは覚えてるのだが……」
何だ?
「あっ!まさか!ボクのリトルを見たンでしょ?!やだぁ、2人ともエッチっ」
「艶島君、別の部屋にお布団用意したから、今晩はそこで休んでね」
あぐちゃんに案内されて、部屋へと向かった。やっぱ、まだ実感湧かねー!目の前に推しメンがいるとか……ごめんな、一般『けやき』のみんな!
「あぐちゃんは、明日仕事?」
「んだっちゃだれー」
「え?……ああ!」
『そうだよ』って事か。あぐちゃんは無意識なのだろう。仙台
「さ、着いた。ここだよ」
「え……?いや大宴会場!」
冗談だろ?たたみ50
「あ、あぐちゃん、ありがとう」
「いえいえ、ではごゆっくり!また明日ね」
『また明日ね』?……そうだ!ボクってば、明日から
シーン……なんか、こう、視線を感じる……
「ヒィッ」
シーン……カタッ
ビクッ!
「何何何?……え?い、市松さん、こちらを向いた?」
えーっと、アレだ、確か回転式台座に置いてあった。そうだろ?なぁ、斗威。大丈夫、背を向けて寝よう。
シーン……カタッ、コトッ
ビクッ!!
「え……ちょっ、待っ」
床の間からぁ、畳みの上にぃ、うまく直立のままぁ、落ちた。やだもう、だるま落としもビックリだよねぇ。
「さぁ、寝よう……」
シーン……カタッカタッ
「zzz……寝てますよぉ。ボクってば、何も気が付かず朝までグッスリですよ〜」
カタッ……カタカタカタカタカタ!!
「ギャアアアっ!無理無理無理無理!!来るな、来るなって言ってるでしょうがっ!!こっち見んなっ!!」
逃げろ、逃げるぞ!!
あれ?えっと……四方八方、
ガラッ!
押し入れ!!
ガラッ!
押し入れ!!
「うわぁぁん!来るな、怖いヨォォ!!」
ダッダッダッ……!!
カタカタカタカタカタカタ……
リレーかよっ!!てか、何周目!?
バリリッ
「痛ったぁ!誰だよ、布団の横に眼鏡置いた奴は!ダメだ……もう走れん。イヤァア!来ないでぇ!クソォ……こうなったら!
カタカタ……カタッ……ぴたりっ
「と、止まった?!よっしゃあ!ボクの呪文を、ナメるなよ!ざまぁ!」
カタッカタッ……ぎゅおんっ!ブゥーン!
「いやぁあ!目ぇ光らせて、飛ぶなぁ!!」
「母ちゃん、親父、さよぉな……」
パチンっ
え?部屋の電気がついた。あれ?でも、市松人形は飛んでる……ちょっとシュール
ガラガラッ
「テッテレー!ドッキリでした!きゃははっ」
あ、あぐちゃん?のんちゃん?ド、ドッキリ……?
「超人気アイドル『ななイル』あぐの裸を見た、罰でーす!」
「裸を見た?んなラッキーあるかいっ!!」
「ふぅーん、ホントに覚えてないのぉ?狂言じゃないのぉ?」
いや顔近っ!!その距離わずか数センチ!うーん、きめ細かなお肌……いやいやそうじゃない。
「見てないって言ってるでしょうがっ!」
ボクってば、思わず声を荒げて顔をそらした。
「あれぇ?どうしたの?真っ赤になって顔を逸らしてぇ。ニカッ」
「お姉ちゃん、やっぱりやり過ぎだよぉ!斗威君、本当に記憶飛んでるんだよ」
「うーん……そうみたいね。じゃあ、許してしんぜよう」
一体何なんだ?この、修学旅行的なノリは……
「てか、何ですか、この市松人形は!?」
「ああ、これね!人形型ドローン『お松ちゃん』よ。可愛いでしょ?」
「……何を作ってんですか!全くぅ」
「ごめんなさい、可愛いと思って作ったんだけど……」
「イヤ、のんちゃんが作ったんかいっ」
まぁ、何かよう分からんが、どうやら
「ようこそ、
あぐちゃんは、イタズラに微笑んだ。
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