結局良い人ってどんな人?

話が逸れてしまったが、ここでAちゃんの話に戻る。


Aちゃんは、私のように人を嫌ったり、人にムカついたりすることがあるのだろうか。


私が行き着いたのは、「Aちゃんみたいな人は、そもそも周りを気にしていないのではないか」という結論だ。

彼らは常に自分に矢印が向いていて、周りを全く気にしていない。つまり、自己中である。

そして、自己中でも、自己満タイプと思い込みタイプに2つに分かれる。


まず、前者の自己満タイプは、周りを気にかけているようで、実は自分にしか興味がない人。

これは、少女漫画に出てくるヒーローにも当てはまる。誰にでも優しく、クラスで人気のヒーローは、一匹狼のヒロインに親しくなろうとアプローチをかける。

物語では、二人は恋愛に発展し、なんだかんだヒロインはクラスに溶け込んでいたりするが、現実はそんな上手くいかない。

私たちの世界で、仮にクラスで人気のヒーローがヒロインに話しかけたりすれば、ヒロインは周りに妬まれ、孤立を深める可能性がある。そして、大抵のヒーローはアプローチした自分の行動に満足し、その後ヒロインが陰で虐められていることに気づかない。まさに無責任ヒーローである。


そして、後者の思い込みタイプは、「問題は自分にある、または、万事の使命は自分にある」と思い込む人。

個人的に、Aちゃんはこっちのタイプだと思っている。相手の嫌な部分を見つけたら、「いや、これは自分の考え方の問題で、自分に非がある」と考える。先のヒーローだったら、ヒロインを助けられるのは俺しかいないと、自分主役の物語を勝手にスタートさせるだろう。

Aちゃんならきっと、嫌な同僚がいても自分が悪いと思うだろうし、会議が長かったら、「私が進行役をします!」と手を挙げ、自分を主役に変えられるのだと思う。


総じて、良い人は自分軸で生きている。彼らを目指すなら、そもそも周りなんて気にしなければいい。「私さえ良ければいい」でも「私がこの場を変えればいい」でも、他人や環境など周りなんて気に留めず、「私」主体で生きていけばいい。そうすれば、妬みやイライラの感情を向けるそもそもの対象が、目に入らなくなるだろう。


ただ、良い人は誰でも目指せるモノではないし、彼らのように生きることが正しいかもわからない。


前者の自己満タイプは、自分しか見えていないので、気配りできず、知らぬ間に誰かの反感を買うこともある。また、彼らがチームや職場にいる気が利く仕事できるマンになれるとは思えない。

また、後者の思い込みタイプは、理想的ではあるが、自分への負荷が大きく、知らぬ間にストレスを蓄積させる可能性がある。また、責任能力と高いストレス耐性が必要で、誰にでも真似できることではない。

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