嫌いな人の対処法
嫌いだったZの話である。
数年前、とある販売店で働いていた時に、苦手な男性Zがいた。
彼は、気に食わないことがあると、すぐに機嫌が悪くなる。そして、どうも若い年齢で子を授かったらしく、子供の世話で俺疲れています等の話を、繰り返し話してくる。
最初は、Zを怒らせても面倒なので、「そうですか。大変ですね。」と簡単な相槌を打っていた。だが、段々と面倒になり、終いには「疲れているのは別にあなただけじゃないです。大変なことなんて、私も沢山ありますよ。」と言い返していた。
しかし彼に、「いや、そもそもあなたと背負っている責任の重さが違うので。」と半笑いで言われ、Zが苦手ではなく嫌いになった。
いや、確かに家族を養うことは大変だと思う。ただ、その結果を招いたのはあなたじゃないの?私は独り身で、あなたと違って養う家族はいないかもしれないけど、自分の生活を維持するのに毎日必死です!
そうやって一回、「この人無理だ!」と感じてしまうと、もう相手の欠点しか見えてこない。
彼が話始める時の「今から面白い話をしますね」の前置きの言葉がうざったい。話がつまらない。くしゃみがうるさい等。
今まで見て見ぬふり出来ていたものが、急に何もかも嫌になってしまう。
ネットで「嫌いな人/対処法」と検索すると、「嫌いな人の良いところに目を向けて見よう♪」と書いてあったりする。ただ、ここまで人を嫌いになると、良いところなんて見えてこないし、歩み寄る努力すらしたくない。
そこで、「ドラクエ的対処法」を編み出した。
当時、私はZが近づき、話しかけてこようとすることを「敵の襲来」と考えていた。脳内で、「1→たたかう、2→ぼうぎょ、3→にげる」のドラクエ的3択を作り、自分がどう動くか考えた。
1たたかうの場合、興味のない相手の話を聞きはするが、心の中で「はいはい、どうせ子供の話でしょ」「やっぱりね」「オチないなー」などとツッコミを入れ、対抗する。
2のぼうぎょでは、相手の話から勝手に別の話を連想し、聞くフリをする。
例えば、相手が趣味の魚釣りの話しを始めたら、「釣りかー、そういえばアイドルにも釣り師いるよねー、確か最近人気のCちゃんって釣り師じゃなかったっけ」と、別の話を頭の中で展開し、彼の言葉をスルーする。
しかし、これには相手が話を聞いてないと気づき、機嫌を損ねる場合があるので、注意しなければならない。
3のにげるは、もう言葉通り、相手から距離を取る。別に行きたくもないがトイレに行ったり、作業があるフリをしたり。
そうやって、当時の私はその状況を打破した。
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