第12話 フローティア島強襲②
西暦2031(令和13)年3月6日 フローティア島西部 中枢都市イスティオルダ
パルシアの言葉で『東の秩序』を意味する城塞都市イスティオルダ。その近郊に数十の翼が迫る。
航空自衛隊第8航空団は、フローティア島東部での現地住民を弾圧していた帝国軍を蹴散らした後、空中給油機の支援を受けてフローティア島西部地域へ展開。帝国軍基地に対して強襲を仕掛けようとしていた。
フローティア島東部の帝国軍が有していた基地はすでに占領され、滑走路は修復中である。来週頃には自分達も使える状態になっているだろうが、相手はそれを待ってくれないだろう。それを踏まえての作戦行動であった。
『タイガー各機、仕掛けるぞ。空に上がられる前に叩け!』
田代の言葉に一同は頷き、そして一斉に上昇する。その向かう先は50隻以上の飛行艦が停泊する空港。
「発射!」
〈F-15EJ〉戦闘攻撃機の主翼下に搭載されている93式空対艦誘導弾が一斉発射され、次々と命中。誘爆は周囲に更なる被害を招き、そして飛行場には何発もの誘導爆弾と20ミリ機関砲弾が叩き込まれていく。
各所から黒煙が立ち上る中、1機のトリコロールの機体が駆ける。付近の飛行場からは数機の敵戦闘機が上がるが、その機は急旋回して銃撃を回避。瞬時に背後に付くや否や、2発の空対空ミサイルを放つ。それが敵機に食らいつくまでに10秒もかからなかった。
「宮野の奴、イキイキしてんな」
「軽口を叩いている暇はないぞ!どんどん叩くぞ!」
田代達は通信を交わし、地上へ攻撃を叩き込んでいく。何隻かが浮揚を諦めて対空砲火を撃ち上げ始めるが、その狙いは甘く、〈F-15EJ〉各機は軽々と避けていく。やがて東の空から新たな編隊が現れる。それは第8飛行隊の第二次攻撃であった。
「これで、連中はしばらく動きが鈍くなるだろう。全機、帰投するぞ」
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