ミッション4 スズ様の初ミッション①
???「いつの日か..叶うならば」
(鐘が鳴る)
今日も日が上る。
スズ様がワイカに来て3日が経つ。
徐々にワイカの周りのヌイの数が増えてきた。
薄々メイルも勇者が送られたことに気づいているのだろう。
でも、まだその時じゃない。
だから、今晩もヌイを狩り尽くす。
レイ「よし、みんな集まったな」
スズ「今日はミッションをしに行くんだよね」
ニーナ「最初は簡単なの少ないけど大丈夫かしら」
スズ「え..」
(スズは少し不安げな顔でギルドに入る)
レイ「おーい、ギリー」
ギリー「はいはい、今日はなんだ?」
レイ「一番楽なミッションなんだ?」
ギリー「一番楽なやつね」
「昨日依頼が来たあそこの森の三体のヌイ討伐だな」
レイ「レベルは?」
ギリー「2だ」
2くらいなら今のスズ様でも大丈夫そうだ。
レイ「よし」
スズ「えと..レベルって..?」
ニーナ「レベルはヌイの強さを表すものよ」
「レベルは10段階あって、レベル10はメイルの直属の手下のことなの」
スズ「へー」
レイ「じゃあ、とりあえず行くかー」
(スズたちは外へ出る門に向かいはじめた)
スズ「(何も問題なく森まで来れた)」
「(道中少しレイが真剣な顔をしていた)」
ニーナ「ミッションの場所はここね」
「目標のヌイは..あれね」
ニーナが指を刺す方には二匹のヌイがいた。
レイ「大丈夫だ。危ない時はどうにかする」
「ヌイは基本首を切って討伐するんだ」
「他にも一応あるんだが..」
ニーナ「とりあえず..あれを狩ろう」
スズ「俺でも狩れるレベルのはず..」
レイ「(あのヌイ何かに怯えてる..?)」
スズ「やるしかない」
「信気 初強の体」
(スズが一気に距離を詰めていく)
スズ「(レイから戦い方の基礎は教わったから大丈夫なはず)」
「(懐まできた、あとは下から首元を..)」
(ヌイが重い音を立てながら地面に倒れる)
スズ「やった」
(レイがスズを掴む)
レイ「危ないだろ、もう1匹いるんだぞ」
(さっきスズがいた場所にヌイの拳が刺さっていた)
スズ「すみません」
レイ「後、あいつら様子がおかしい」
「嫌な気がするんだ」
「一旦町に戻ろう」
スズ「嫌な気?」
「気のせいでしょ」
(スズはレイを振り払い、剣を構えて踏み込んだ)
(スズは辺りが見えなくなった)
(ニーナの回復信気を唱える声がかすかに聞こえる)
ーーーーーーーーーーーーーーーー最悪の出会いーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は今、スズ様たちが通るであろう場所の安全を確認していた。
スズ様たちが向かう道中であろう場所に何かいる。
レベル7か。
そこを避けてはスズ様はあの森へとはいけない。
仕方ない、私がやるか。
レベル7「急に出てきたな何者だ」
私「レベル5以上は話す脳があるのか」
「なんでここにいるの?」
ケイン「俺は魔王様に言われてここに配置されたケインだ」
「お前が勇者か?」
私「おしゃべりなヌイだこと」
「じゃあ、そこだと都合が悪いの、どいてくれる?」
ケイン「..」
私「信気 上強の体」
私はケインが何か言う前に顔に一発撃ち込もうとしていた。
スズ様はもう検問が終わっている。
早く済ませないと..
(ケインは軽々と避けてみせた)
ケイン「焦りすぎだぜお嬢ちゃん」
私「用事があるの長くは構えない」
ケイン「お前強そうで面白いな」
「場所変えるか」
「邪転の地」
スズ様を少しの間見られないの仕方ない。
レイやニーナがいればある程度は大丈夫だろう。
このケインというヌイ..邪の使い..
少し長くなりそうだ。
ここで本気を出すとスズ様にもバレてしまうから。
私「ここは..?」
ケイン「ここは俺の作り出した邪の地、俺が出ることを許可するか戦闘不能になるまで出ら
れない」
「ここならお前の気にしてるものもないだろう」
「本気でやりあおう」
私「(このヌイは何をしたいんだ)」
「先に言うけど勝てると思ってるの?」
ケイン「さぁ?」
「してみないとな」
私「私は早く戻らなきゃいけないの。だから本気ですぐに終わらせてあげる」
「神槍の天」
(飛んできた長槍を手に取る)
ケイン「いきなり本気武器かよ」
「邪弓の射」
私は槍を地面に突き刺す。
そして、槍に信気を込める。
地面が隆起する。
私「戦いやすいような地形にさせてもらうよ」
ケイン「俺もこっちのが動きやすいな」
(ケインは弓を上へ向ける)
私「(ガラ空きじゃん)」
(私が槍を突き刺すように突撃していった)
ケインにあと数センチで槍の先端が届くと言うところで私は身の危険を感じ右に
体をずらす。
次の瞬間、私がいたであろう場所に不自然な動きをして一本の矢がすごいスピードで
落ちてきた。
そして、地面に突き刺さる。
私「(なぜ!?ケインはまだ弓を引いてないはずなのに)」
ケイン「驚いたろ。けど油断大敵だぜ」
すぐに上を向くと何本もの矢が落ちてきている。
私「(まずい、避けれない)」
私は槍を上に向けて矢を防ごうとした。
しかし、予想以上の量と速さで全て対処するのは難しかった。
右肩に2本、直撃していた。
まだ、もう少しくる。
「信気 上癒の薬」
回復信気を使っても痛いと言う痛覚はある。
だが、そんなチャンスをケインただ見ているわけがなかった。
回復信気を使い、また腕を上げようとした時。
ケイン「残念だったな」
(ケインは一本の矢を放つ)
上に気を取られ私はケインのことなど考えてなかった。
もちろん放った矢など見ていない。
(ケインが横から放った一本は脇腹へ突き刺さる)
私「う..が..」
(私は血を吐いた)
神の使いとはいえ死なないわけではない。
神の使いなんてただの特別な『人間』なのだから。
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