ミッション3 明日のために

私は今綺麗な星空の下いる。

スズ様はあの後レイたちから宿を借りてベットの上で今日起きたことを振り返っていた。

その間にも私はスズの見張りをしている。

今のスズ様の危険は私がどうにかしなければ。


(朝の鐘が鳴る)


ワイカでは毎朝鐘が鳴る。

人々はこの鐘を目安に起床しているらしい。


(スズも起きて、出かける準備を済ませる)

スズ「行ってきます」(昔からの癖で誰もいなくても言ってしまう)


今日はレイたちと共にワイカで武器の調達と服装を整えに行くのだ。


スズ「おまたせー」


レイ「お、来たな」


ニーナ「全然待ってないわよ」


レイ「じゃあ行くかー」

(スズたちはレイとニーナの行きつけの武器屋に向かって歩き出す)


スズ「あ、そういえば!俺お金とかないんだけど..」


レイ「心配すんな、パーティの装備はみんなで買うんだ」

  「だから、お金の心配は大丈夫だ」


スズ「申し訳なくて..」


ニーナ「大丈夫よ。だって、パーティの装備がなかったら戦えないじゃない」


(色々、話ながら歩いていると)


レイ「…だからだな..」


ニーナ「ついたわよ」


(扉の鈴が鳴る)


クオ「いらっしゃい」


店の名前はラウンジ。

武器屋してはわかりづらい。

このクオという男が武器作りに置いて一流であることは私にもわかる。

でも、スズ様にはアトア様から預かったこの信剣を渡さなければ..


クオ「レイとニーナじゃねーか」

  「あとは、子供..?」


スズ「スズです」


レイ「俺のパーティに入ってるんだ」


(クオは驚いた表情をした)


クオ「まじか、あのレイが..」


レイ「おい、そのセリフ昨日ギリーからも聞いたんだが」

  「そんなやばいやつに見えてんのか俺って..」


クオ「ごめんごめん。で、今日はなんの用事だ?」


レイ「スズ似合う武器を探して欲しいんだ」


クオ「了解だ。信剣のがいいか?」


レイ「いや..」


信剣じゃないとスズ様に渡せない。ここは仕方ない。

「初忘の記憶」

少しの間忘れてもらおう。


レイ「う..」


クオ「ん?どうしたんだレイ」


レイ「ちょっと体調が」

  「スズのはなんでもいいよ..うぅ..」


私はこのクオが心配しているうちに信剣がたくさん置いてあるところにある剣を置いた。

この剣はアトア様の特注品で最初はほとんど信気を含んでいないのだが、信気量が多いほど威力が上がるものだ。


(レイが店の外へと出て行く)

クオ「スズ、これがうちにある信剣なんだがどれがいい?」


スズ「んー、信剣ってどういう選び方をするんですか?」


クオ「まぁ、持ちやすくて信気を入れやすいものを選べばいいよ」


スズ「どれにしようかな..」


まずい。信剣の中に含ませたはいいものの他の信剣だと剣の信気がスズ様へ送られるので

まだ慣れていないスズ様は信気酔いを起こしてしまう。

そうだ。

「中操の人形」

アトア様からの信剣をわざと落とし注意を引かせ取ってもらおう。


(一本の剣が床に落ちる)

スズ クオ「ん?」


(スズが拾い上げる)

スズ「軽くて持ちやすい」


クオ「そうなのか、じゃあそれにするか?」


ニーナ「決まったようね。いくらかしら?」


クオ「いや、お代は無しでいい。いつもうちに来てくれるツケだ」


(レイが外から帰ってくる)

レイ「はぁ..一旦落ち着いた..」


ニーナ「ちょうどいいわね。スズの信剣選び終わったわよ」


レイ「あぁ..そうか..」

  「じゃあ、次はその汚れた服をどうにかしなきゃな」


ニーナ「服装のことなら任せて」


レイ「ニーナに任せるのはやめといた方がいいぞ..」(小声)


スズ「え..」


ニーナ「スズ早くー」


(20分ほどしてニーナが出てくる)

ニーナ「完璧よ」


(スズが出てくる)

レイ「ぷ..w」


スズ「ニーナさーーん!」


レイ「おま..めっちゃいいなw」


スズ「レイまで!」


ニーナ「すごく似合ってるわよ?」


私はスズ様にすごく似合っていると思う。

笑ってはいけないのだがこれは..w

なんと扉から出てきたスズ様はドレスだった..カチューシャまでつけられたw


レイ「お前のこれで戦闘できるとでも?w」


ニーナ「あ」


スズ「どこが似合ってるんだー!男だぞっ..」(呆れ)


ニーナ「いいと思ったのに..」


レイ「服は俺が選んでやるよw」


スズ「ぜひお願いします。今すぐに!」


ニーナ「(そんなやかなぁ、似合ってるのに)」


というわけで服はレイがスズ様に似合う服を選んでいた。

準備は整ったがいつのまにか日が落ちそうな時間帯だった。


レイ「準備はできたがこれから冒険は無理だな」


ニーナ「そうね、一旦宿に帰りましょうか」


スズ「えーと、冒険って何をするんですか?」


レイ「まあ、ギルドにある一番レベル低いやつでもやろう」


スズ「できますかね..」


ニーナ「大丈夫よ、いざとなったら私たちが助けるから」


スズ「え、レイたち一緒じゃないの!?」


レイ「俺たちがやるとすぐ終わっちまうからな」

  「危なくなったら助けてやるよ」


スズ「えぇ..」


今のところあまり安全なミッションがない。

仕方ない。

「信気 神召の誕生」

本当はヌイを召喚するのは禁止事項なんだがスズ様のためだ。

最初にスズ様が転生してきた森に複数召喚してミッションの紙を貼っておこう。


ニーナ「明日の冒険までしっかり体休めといてね」


レイ「死なないようにな」


スズ「死なないように頑張ります」


大丈夫。

スズ様は私が死なせない。

これから何があっても..

ミッション3「明日のために」クリアだ。


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