第2話 凛、22世紀の街を走る
向かいの道路を、時折無音の車が高速で通過して行く。
タイヤの下に緑色に発光している空気だまりがあり、わずかに浮かんでいるのだ。これはスライダー技術と呼ばれている。
凛はリュックタイプの鞄を背負うと自転車に乗った。
自転車もやはりスライダー技術で高速で走る事ができる。
凛は市役所に向かって颯爽と走って行った。
途中でオアシスと呼ばれる無人のコンビニエンスストアに寄る。
オアシスは円筒形の建物で、曲面の外壁は全面モニターになっている。
「いらっしゃいませ」
「アリーナさん、おはよう!」
モニターに四十歳台の女性が映る。彼女は実際に存在する人だが、画面に現われているのは彼女のAIアバターである。そうは感じないが。
「あら凛さん、おはよう。何かお入り用ですか?」
「ミネラルウォーターを一本もらえる?」
「はい。七百円になります」
「今日は安いのね。」
水は今や貴重品である。
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※22世紀、車は地上からわずかに浮いて移動している。
※また、温暖化により食料/水資源の確保には各国が苦労している。
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