それぞれの進むべき道
第35話 優希の夢
それは優希の学校で進路面談が始まった時だった。職員室で仕事をしていると優希の学校から電話があった。電話に出ると担任から進路のことで面談したいとの事だったので、次の日美音と面談に向かった。教室に入ると優希と担任がいた。担任が「お忙しい中ありがとうございます」と言った。俺は「同職ですので大変さはわかっています」と言った。担任が話し始める。「優希ちゃんの進路のことで。優希ちゃんがパティシエの専門高等学校に行きたいと言っていまして。ご両親にちゃんとお話しした方がと思いまして。」と言った。俺が「家族で話したいので一旦話を持ち帰っていいですか?」と聞くと担任は「かまいません」と言った。家に帰り優希に「なんで将来の夢を話てくれなかったんだ」と言うと優希が「だって。専門高等学校に行きたいなんて言ったら否定されると思ったから」と言った。俺は「優希。優希の進みたい道に進めばいい。」と言った。それを聞いた美音が「私は今の段階では許されない。そんなに甘い世界じゃないのパティシエはね。」と言った。俺が「なあ。美音の言いたい事もわかるけど、やらせてやる事も大事じゃないか。」と言った。口を挟まなかった悠依が口を開いた。「優希は過酷さに耐えられる自信はあるの?確かに貴方はお菓子作りもうまいと思う。それは私にはない才能だし、お菓子作りの器用さは両親のDNAを引き継いでいると思う。だけどそれより遥かに上の存在が沢山いる。その中で生きる自信はあるの?」と言った。優希はしばらく黙って「できる」と言った。「わかった」と悠依は言い。「私からもお願いします。優希を進みたい道に進ませてあげてほしいです」と言った。美音は「絶対に途中で諦めない事。やるからには世界に通用するパティシエになる事。この2つが条件ね。」と言った。優希は「はい」と言った。そして3月になり優希に手紙が届いた。合格証書 樫木優希 ◯◯パティシエ専門高等学校 と書かれたものと一緒に入学手続きの書類が入っていた。
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