第34話 卒業
年度の終わりが見え始めた。どの学校も卒業式シーズンになっている。悠依達もそうだ。これまで沢山の式典に教師としても関わってきたが、卒業式の雰囲気は慣れる事はない。式が始まる。悠依の義務教育は今日で終了した。校歌を歌い代表の挨拶とアナウンスがかかる。「代表 一ノ瀬ルーカス椿」。俺は美音に「聞いた事ある名前だな」と言った。美音は小声で「優希が付き合ってる人」と言った。代表挨拶は中学生と思えないキチンとした挨拶だった。卒業式が終わり優希の姿を見つけた。悠依に会いに来たと思ったら一ノ瀬に会いに来たらしい。あえて優希の視界に入らないようにして帰った。もうすぐ高校生になる悠依は卒業式の写真も彼氏と撮っていた。なんせ高校まで彼氏と一緒だから。美音と一緒に帰り道を歩いていると美音が凹凸につまずきバッグの中身を落とした。「美音は変わらんな。」と俺が言うと美音が「これで出会ったもんね私達」と言った。
悠依は高校1年生になっても彼氏とうまくやっていた。悠依が高校1年生になってしばらく経った日曜日、悠依と潤と一ノ瀬と優希4人で横浜に行った。俺は一ノ瀬のメンタルが知りたいところであったが、あえて突っ込むことはしなかった。帰って来た優希と悠依はご機嫌だった。楽しめたようで何よりだと思ったがどんどん2人との距離感が増したように感じた。悠依の高校1年生の生活は順調だった。だが問題は優希の方だった。
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