第32話 姉の使命と彼の使命

・姉の私からみても優希は一ノ瀬と出かけてから変わった。今までとは全く違うトキメキがある目を優希はしている。3年になり私は一ノ瀬と同じクラスになった。私は初日のホームルームが終わった瞬間に一ノ瀬のところに行った。「こうして話すのは初めてだね一ノ瀬。単刀直入に聞く。優希に何をした。優希は一ノ瀬と出かけた日を境にまとう空気が変わった。」と私が言うと一ノ瀬は「僕の気持ちを率直に伝えただけさ」と切り返した。私が「何を伝えた」と聞くと一ノ瀬は私の頭の後ろに手を回し自分の顔を私に近づけ耳元で「I love youとでも言っておこう」と言った。思考がしばらく停止した。30秒ぐらいした後一瞬寒気がした。(なんだあいつ)と心で思った。潤に「一ノ瀬ってどんなやつ」と聞くと「いいやつだよ。たまに寒気がするけど」と言った。次の日、一ノ瀬のところに行った。私は一ノ瀬に「昨日はいきなりごめん。ただこれだけは言わせて欲しい。この前、優希は恋愛でかなり傷付いた。本来私がでしゃばるところではないけど。私は姉として妹を傷つけるやつは許さない。ましてや同じ理由で優希を傷つけるなんて許さない。優希と付き合うなら結婚するぐらいん覚悟でいてほしい。」と言った。一ノ瀬は「もちろん。俺は彼女が好きで告白したんだ。俺も彼女を傷つけるやつは許さない。」と言い今まで見た事ない目をしていた。帰り道潤に今日の事を話した。潤が「悠依は常に優希ちゃんの事考えてて優しいな。」と言ってきた。私は「姉だからね。一応。」と言った。家に帰ると誰も帰ってきていなかった。リビングのソファーに横たわり何んか疲れたなーと思ったら眠っていた。目を覚ましたら家族が全員帰ってきていた。体を起こすと優希が来て「お姉ちゃんありがと。一ノ瀬先輩から話を聞いたよ。」と言った。(あいつ要らんことを)と思った。「まあどんな事があろうと私の妹だからね。」と私は言った。

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