第30話 また同じ

 3月優希の卒業式の日がやってきた。悠依の時と同じように卒業式は進行していった。卒業式が終わると優希は好きな男の子のところに行った。遠くから優希を見ていると優希はその男の子に抱きついた。帰り道、美音に「さっき何してたの」と聞くと「告った」と言った。美音が「えー。青春だねー。返事は?」と言った。優希が「はいって言ってくれたんだ。山川勇人君って言うんだ。」と言った。中学も同じ学校らしく次女にも彼氏が出来てしまった。父としては複雑だ。

 4月優希は悠依と同じ学校へ嬉しそうに行った。勇人君と行くからだそうだ。2ヶ月後家に帰ると言い争う声が聞こえた。急いでリビングに行くと初めて姉妹喧嘩を見た。優希に「どうしたの」と聞くと優希は「お姉ちゃんが勇人君と別れろっていきなりいい出すんだもん。」と言った。俺は「本当か」と聞くと悠依は「うん。だって今日私バスケ部の後輩の琴音ちゃんと勇人君がハグしてるの見ちゃったし。」と言った。それを聞いた優希は「勇人はそんな事しない。明日本人に確かめる」と言った。次の日優希は急いで学校に行った。悠依は後を追っかけるように出かけた。夕方家に帰ると悠依の姿だけリビングにあった。悠依に「優希はどうした。」と俺が聞くと悠依は「朝の出来事は私が話すから優希はそっとしておいてあげて」と言った。俺は「わかった」と言った。悠依が話始めた「今朝、優希が心配でつけて行ったのそしたら案の定勇人とあって一緒に登校したの。しばらくして優希が昨日の事を切り出して「私の事どう思ってる」と聞いたんだ。そしたら勇人が「ごめん。今は琴音が大切なんだ。」と言って走ってその場から居なくなって、姿が消えると優希は泣き崩れて私が駆け寄って慰めて学校に行ったんだけど。まあ心の傷がそう簡単に消えるわけなく…」と話してくれた。俺は「そうか」としか言えなかった。次の日優希は学校を休んだ。

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