第4章 3年間の始まりと6年間の集大成

第28話 最高学年と新入生

 優希は小学校の最終学年となり悠依は中学校の新入生になった。4月になり新学期が始まった。この頃から悠依に少し避けられている気がした。少し気になる程度だった。ある日の食卓での事俺が悠依に「樹君とはまだ両想いなのか」と聞くと悠依は「中学校違うから付き合ってる訳ないでしょ。考えてわかるようなこと聞かないで」と俺に言った。「ごめん」と俺が言うと悠依は「ご馳走様」と言って自分の部屋に行ってしまった。「完全にやってしまった」と俺は美音に言った。美音は「大丈夫だよ。そういう歳に悠依もなっただけ。本当はパパが好きだと思うよ。それからは毎日の食卓は、優希は話すが悠依は何も話さない。2ヶ月近く悠依の反抗期は続いた。ある日美音が珍しく食卓で悠依に話しかけた。悠依がいつも素っ気ない態度をとるので美音も話しかけていなかった。美音は悠依に「いい加減その態度どうにかしなさい。そういう親にイラつく気持ちもわかるけどこの家の空気を重くしないで。」と言った。悠依は「はいはい。わかりました。」と言って席を立った。夏休みに入る1週間ぐらい前だろうか朝起きてリビングに行くと悠依が「朝ご飯作っといたから」と言った。俺は「ありがとうな。」と言って悠依の朝ご飯を食べた。美音も同じ反応をし朝ごはんを食べた。悠依のオーラが和やかになった気がした。俺が「夏休みどこか出かけるか」と言うと優希が「ママとパパの結婚式挙げた所に行きたいな。」と言った。「じゃあ行くか。沖縄。」と俺が言うと美音も「いいね」と言った。

 夏休みが始まり家族で沖縄に出発した。沖縄に行くのは結婚式以来だ。沖縄に着くと悠依が「南国の匂いがする」と言った。結婚式の時、美音も同じようなこと言ってたなと思った。レンタカーに乗り式を挙げたホテルに向かう。ホテルに着き部屋に荷物を置き全員で海辺を歩きながら教会に向かった。教会の入り口には結婚式で作った刻印がある。刻印を見るなり悠依が「パパって婿入りしたの?」と聞いた。そういえばその話はしたことなかったなと思った。「そうだよ俺は樫木家に嫁いだんだよ。」と俺が言った。悠依が「なんで」と聞いた。俺は「悠依も優希もいずれわかるよ」と言った。次の日色々観光地を巡って沖縄旅行は終わった。

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