第23話 親としての責任
1年があっという間に過ぎて行く。悠依は1年生になり大分成長した。優希も保育園最高学年になり成長した。そして優希が卒園した。悠依と同じランドセルを欲しがっていたので同じのを買った。優希は去年の悠依と同じようにランドセルを毎日背負って楽しみにしている。そして入学式の日がやって来た。優希は悠依と性格が全然違う。活発な悠依に比べて優希は物静かな感じだ。優希が入学して1ヶ月ぐらいしたある日美音が同期との食事会で帰りが遅かった。美音がいないので優希と悠依と久しぶりに風呂に入った。湯船に浸かりながら優希を見ると腕にあざがあった。「優希どうしたんだ。」と聞くと「ぶつけた」と優希は言った。あざに気づいてから1週間ぐらい過ぎたある日、授業から戻ると悠依達の小学校から電話がかかってきていた。留守電を急いで聞くと放課後に来て欲しいとの内容だった。仕事を定時で切り上げ小学校に行くと先に美音が先生と話していた。「すみません。遅れてしまって」と俺が言うと、悠依の担任と優希の担任が「お座りください」と言った。美音の隣に座ると悠依の担任が話し始めた。「今日の昼休み優希ちゃんが一人の男の子に廊下で意地悪をされていて、それをたまたま目撃した悠依ちゃんがその子を突き飛ばして怪我をさせてしまいまして。」と言った。俺は「申し訳ありません。」と言った。それに続いて美音も「相手の保護者様にも謝罪致します。」と言った。「それに関して。相手の保護者様もお互い様ということなので謝罪の必要はない」とのことです。「ありがとうございました。帰ったら指導致します」と俺が言った。面談が終わり家に帰った。家で悠依と優希を座らせた。俺は家事を始め美音が子供たちの前に座った。美音が話始めた。「今日あなた達の学校に行って先生達からお話しをされました。思い当たる節はあるよね?自分からママに報告しなさい。」と美音が言った。悠依が不貞腐れながら「今日1年生の男の子を押した。」と言った。美音が「その子はどうなりましたか」と聞いた。悠依は「怪我した」とボソッと言った。それを聞くなり優希が口を開いた。「お姉ちゃんは、私を助けてくれたの。私この前もあの子に意地悪されて転んだの。だからお姉ちゃんは悪くない」と言った。しばらくして美音がまた話し始めた。「今回、悠依は優希を姉としてちゃんと守ったのは偉いと思うだけど怪我をさせるのは良くない。今回はお互い様だけど、人を傷つけることはママもパパも許す訳にはいかない。パパもママも先生をやってるから悠依の気持ちもわかるけど…」と言った。悠依は泣き始め「ごめんなさい」と言った。悠依が落ち着くのを見計らい夕食を食べ始めた。
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