第12話 誕生日
「どうだった学校?問題なかった?」と俺が聞くと「全然大丈夫だったよ」と美音が答えた。「今日の夕飯は温っかいもので揃えたよ。」と俺が言うと「ありがとう」と言い美音はご飯を食べ始めた。こんな生活が続いた。日曜日に妊婦健診に一緒に行くことにした。「樫木さ〜ん1番診察室にお入りください。旦那様は待合室でお願いします。」と言われた。15分後美音が出てきた。「赤ちゃん元気だって」と言いながら美音は自分のお腹に手を当てた。帰り道に美音が「赤ちゃんの名前考えなきゃね。」と言った。「性別もわかんないのに?」と俺が言うと「じゃあ、両方とも通用するようにする!」と美音が言った。「葵とか?」と俺が聞くと「そうそう、葵にするかは別として。」と美音が言う。「性別が分かってからでも遅くはないんじゃない?」と俺が言うと「確かに」と美音も納得した。
2週間後また一緒検診に行った。今度は俺も診察室に呼ばれた。エコーを美音のお腹にあてて医者が「性別わかるね。聞きたい?」と言う。美音が「はい」と言うと医者は画面を指差し「ここが頭でこっちが下半身ここに映ってないから、この子は女の子だね」と言った。美音が「ありがとうございます」と言った。帰り道「名前決めよっか」と俺が言うと「私お母さんになるのか〜。ちゃんと名前考えようね。」と俺に言った。家に帰り早速考えた。その日から1ヶ月は名前で持ち切りだった。最終的に残ったのは (未来と書いてみき)(悠依と書いてゆい)
(真希と書いてまき)(希叶と書いてきか)の4択になった。2人で話し合って悠依に決めた。人に頼ってもらえる落ち着きのある子に育って欲しいという願いを込めた。美音のお腹に手を当てると蹴っているのがよくわかる。「悠依早く会いたいねー」とよく美音はお腹に話しかけている。月を重ねるに連れて美音のお腹は大きくなっていく。冬休みが始まった。忙しすぎて美音の妊娠がわかってからの月日の経過が早すぎた。「来年のクリスマスは3人でか〜」とこたつに入りながら美音が言った。「そうだな。悠依にプレゼントをあげなきゃな。」なんて話た。3学期が始まり美音はたくさん着込んで仕事に行く。帰りは俺が美音の学校の近くまで車で迎えに行く。3学期はこの生活が続いた。年度が変わり美音は担任を外れた。この頃から胎動をよく感じるようになった。「また蹴った」と美音が言ってお腹を触ると胎動が止まるこんなものだ。予定日まであと2ヶ月と少しになった。
2人でベビー服を買ったりして悠依を迎える準備を整えた。予定日が近づき美音も産休に入った。予定日まであと5日の夜、美音と話していると「あ、破水したかもと」いきなり美音が言った。俺は急いでタクシーを呼び荷物をまとめて病院に向かった。医者に診てもらうと「もう入院しましょう」と美音が言われた。次の日朝陣痛が始まった。美音が痛がってる中俺は美音の腰にテニスボールを当てることぐらいしか出来ない。しばらくして医者が入ってきて「分娩室に行きましょう」と言い美音は移動した。美音の手をしっかり握った。助産師が「お母さん頑張れ」と言った。「そろそろだね」と医者が言った。「お母さん頑張るよー。陣痛が来たら踏ん張って」と助産師が言った。美音が「ウワー」と大きな声を上げた「はーい。来たね。お母さん頑張って。力んで。」と助産師が言う。「もう一回せーの。」と助産師が大声で言った。「はーい元気な女の子ですよ」と言いながら助産師が悠依を抱き上げた。「可愛い〜」と美音が言った。「本当だね。美音そっくりだね。おめでとう。そして美音ありがとう。」この日は仕事を休んで美音と悠依と3人で過ごした。ここから子育て生活が始まる。
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