第2話 命令
コンコン、とノックをする
「失礼しますシーニー、只今戻りました」
「どうぞ入って」
中から声が聞こえ扉を開けると中には黒いベールで顔を覆った人物がいた。
「おかえりシーニー首尾はどうでした?」
「上々です。来月辺りには連絡があると」
「そう、それなら問題ないわね」
相変わらずこの瞬間は緊張する。
自分の言葉次第では明日首が繋がっているかわからないのだ。
普段はフレンドリーで多少の無礼なら許されるボスだが、仕事においては別でお調子者のレネでさえ真面目に報告をする。
「うん、ありがとう。問題はないみたい」
ほっと肩から力が抜ける。仕事の時間は終わりだ。
長居する用もないし部屋を出ようと口を開いた瞬間ボスから声がかかった。
「ねえシーニー、一つお願いがあるの」
「なんでしょうか」
ボスからの声で頭の中で考えていた予定が全て崩れ落ちた。
またお使いかと思っていたがどうやら違うらしい
「あなたに飼い主になってもらおうと思って 」
「は?」
は?
「うん、心の声が出ているよ、レネが犬を拾ったという話は聞いた?」
「ええ、姉さんに」
「そう、それなら話は早いわ。私も彼の様子を見にいったのだけれどね、自分が誰なのか、自分がどんな状況なのか全くわかっていなかったわ」
姉さんが純粋な意味と言ったのはこう言うことだったのか、しかし俺でなくてもいい気はするが…
「……それで、私に飼い主になれと?ボスの言葉を否定するわけではありませんがそう言うのはレネが剥いているのでは…?」
「ダメよ、あの子は壊してしまうもの、それにこれは私からの命令です。飼い主になりなさい」
にっこり笑って告げられると俺に拒否権はないにも等しい。
「yes my lord」
「それに貴方もそろそろ腹心くらい作ったらいいわ」
「……善処いたします」
地下牢にいるから行ってあげてね、そう言われて部屋から追い出されてしまった。
余計なお世話だ。と一人思いながら地下牢へ歩いていく。
ボス
幹部を拾いラナキュラスをまとめ上げた。
黒い面布をつけている
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