誰ヶ為ノ【Blue Moon】
なつめオオカミ
第1話 犬
「あらシーニー。戻ったのね」
組織の本拠地、報告をしようとボスのところへ向かう最中の廊下でネーヴェにあった。
着物をキッチリと着こなし艶やかな黒髪を笄で纏めた美女がこちらへ話しかけてくる。
「姉さん、お久しぶりです」
「ええ、久しぶりこれから報告に?」
「はい」
クスクスと口を隠し上品に笑い面白そうにこちらを見てくる。
何か可笑しなことでもあっただろうかと首を傾げるが思い当たることは何も無い
「ここだけの話なのだけれどね…レナが先日のお掃除で面白い犬を見つけたらしいのよ」
「へぇ…それはまた、その犬が可哀想ですね」
面白そうに言っているがレナに見つかるとなると持っている情報を全て吐かれた後死ぬまで使いされればいいほうだ。
拾われた犬に少々の憐れみをかけていると姉さんがそっと耳打ちをしてきた。
「それがね頭領様からの指示でレネには引き取られなかったそうなのよ、純粋な犬だったらしいわ」
「ボスからの指示とはそれはまた」
今まで拾ったものがソイツの判断を任されていた。レネの扱いがひどすぎたのだろうか
「頭領様がお世話係を決めるらしいわ」
私も忠実な犬が欲しいし、白羽の矢が誰に立つか楽しみね、そう言って彼女は去っていった。
おそらくだが自分が拾ったもので遊べなかったレネのご機嫌取りのためにリオを呼びに行くのだろう。
静々と去っていく姉さんを見届けてボスがいる部屋へと向かった。
"シーニー“(シニー)
組織アパシニアの幹部「群青の月」
古参の一人、頭脳担当。唯一人間の血を引いている
ネーヴェ
最古参の幹部。
シーニーと同郷で雪女と影法師のハーフ。
情報収集に長けている。
炎の異能持ち
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます