人魚の夢

空白

人魚の夢

かつて、海の中で呼吸ができる見た目は人間の生物がいた。人々はみな、「人魚」と呼んだ。


魚と共に生活をしながら人と会話をしていた人魚は、海の中の魚と陸の上の人間とを結ぶターニングポイントのような存在であった。


人魚のおかげで、魚たちは人間のことを信頼し

人間は魚のことを信頼した。







20xx年




人間たちは、青い水が漂う領域に生活の中で不要になったものを投げ捨てるようになった。

魚たちが暮らす海は青から灰色、茶色へと月日とともに濁っていった。


人間が捨てたゴミを誤って飲み込んだ魚たちは、次々と命を落としていった。


人間はその姿を見て他人事のように「可哀想」と呟き、魚は人間のことが大嫌いになった。



魚にとって人魚は裏切り者となった。




人魚は陸では過ごせない。

しかし、海からは追い出される。



居場所を失った人魚は、こう願いながら息絶えた。











あわよくば、来世では





人間と魚が楽しく平和に過ごせますように。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

人魚の夢 空白 @kuuhaku-novel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る