第2話 拒絶

俺も、かつては青い青い魂を持っていたが、それもじわじわじわじわと漂白されていった。


角をヤスリで削るように。


扱いやすいように。御しやすいように。決して反抗しないように。


今では真っ白だ。


すぐに周りに影響される。


染まりやすい。影響されやすい。流されやすい。

それが俺だ。


あいつは、俺を漂白しながら、自分好みの色に染め上げようとした。だけどそんなこと許せる筈がない。


俺の本来の色を奪っておいて。真っ白にしておいて。今度はお前の薄汚い色を俺に押し付けようというのか。


虫唾が走る。


だからこの「白」だけは当てつけのように守りぬいてやった。


漂白されたふりをして、その陰で自分を「白に染め直」した。


最後まであいつの思い通りには育ってやらない。染色は拒み続けた。

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