恋バナ

 優花ーー⁉︎

 

 どうしたというのでしょうか?

 

 …

 

 

 煽りが失敗したから退散…?

 

 ⁇

 

 よくわからないけど…なんか、なんか違うような…。

 

 優花は、そんな煽ってくるような感じじゃないもんなぁ。

 

 

 …

 

 心配になって優花の部屋にお邪魔した。

 

「優花ー…」

 

 そーっと優花の部屋に入るとものすごい速さで優花は、すでにスエットに着替えていた。

 

 

「どうしたの?」

 

 …いや、こっちがどうしたの⁇だ。

 

 スエット姿に前髪が、噴水みたいな結び方になってるし、挙句にお煎餅くわえてるってさ…

 

 優花ーー‼︎

 

 この数分でめっちゃかわるじゃん‼︎

 

 でもさ、ラフな優花もまたかわいい♡って言ってる場合じゃない。

 

 

「優花さ、なんで急に帰っちゃったの?」

「あ、お煎餅食べたくなったから。」

「へー、ならオレにもちょうだい」

「ああ、いいよ。今ちょうど口でふやかしたやつがあるから」

 とまさかの優花の口からのお裾分け⁈

 

 あぁ、やっぱり…やっぱりオレのせいで優花が普通にオレみたいな変態に進化しつつあるじゃん…。

 

「あのー、もらってよろしい…の?」

「いらないよねー。わたしからの口移しとかさー」

 と、バリバリお煎餅を噛み砕く優花。

 

 どうしたんだよ…優花…。

 

 そして優花は、やけ酒を飲むかのようにお茶をごくごく飲んだかと思えば、

「ぷはぁー、美味しー」

 とお茶をぼんとテーブルに置いた。

 

「優花…?」

「あのさ、わたしやっぱり脈なしだわー。結構頑張ったんだけどなー」

 と涙ぐんだ。

 

 優花…。

 オレの知らないところで一生懸命アプローチしたんだな。

 

 まったく!優花の良さに気づかないなんてとんでもない男だ‼︎

 

「優花はさ、まだ好きなんだろ?」

「え、…うん。」

「今は脈なしかもしれないけど、まだわかんないよ?人の気持ちってかわるもんだから」

 

 …

 

「うん…」

「あんまりお煎餅食べすぎると喉乾くし、昔みたいにお口痛い〜ってなるから食いすぎるなよ。」

 と言い残して優花の部屋を後にした。

 

 

 優花…いつのまにか好きな人にアプローチしてたんだ?

 

 大丈夫かな…。

 どんなアプローチしたんだろ…。

 

 オレの真似して変態アピールしてないといいけど…。

 

 どんなアプローチしたのか気になるー…。

 

 めっちゃ気になるんですけどー‼︎

 

 

 でもさ…聞くに聞けないよね…。

 

 

 渋々部屋に戻ると優花の髪飾りが落ちていた。

 

 明日使うかな?

 

 探してたら大変だよね?

 

 ってことで、また優花の部屋に舞い戻った。

 

 

 すると優花は、誰かと電話中だった。

 

 

 やっぱりこれって脈なしだよね?

 ここまでして謝られたらメンタルへこむよね。

 と話していた。

 

 恋バナ…。

 

 きっと友達に相談しているんだろう。

 

 オレは髪飾りをそっと入り口に置いて帰った。

 

 

 

 その一時間後、優花から電話がかかってきた。

 

 

「髪飾りありがとう…。」

 と。

 

 でも、なんかいいたげだった。

 

「どうした?」

 って聞いてみると、

「電話…聞いちゃった?」

 とのことだった。

 

 だから、すぐ帰ったから聞いてないよ。と返すとホッとした様子だった。

 

 

 恋バナとか聞かれるのって恥ずかしいもんね。

 

 

 優花は、思うように恋愛がうまくいっていないようだった。

 

 

 だから、今週の土曜日パァッと出かけようよって誘ってみた。

 

 そしたら、今週は友達と用事があるとお断りされてしまった。

 

 残念だなー。

 

 

 と、このときは、ただ残念としか思わなかった。

 

 

 続く。

 

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