ゲーム

 花火大会の次の日

 

 

 空を見上げると花火は、もう終わっていた。

 

 そりゃそうだ。

 

 そして空も夜から朝になり、濃い青みたいな黒が混ざったみたいな色から、薄い水色へとかわっていた。

 

 

 寝て起きるといつもそうだ。

 

 まぁ、そりゃそうだ。

 

 

 そんないつも通りの朝を迎えたが、気持ちはいつも通りでは…ありません。

 

 とても複雑な気持ちでございます。

 

 昨日楽しかったなぁっておもいと、優花がいつか好きな人に告白してオレから巣立っていくおもいがグチャ混ぜになって複雑だったからだ。

 

 カレーにモンブラン混ぜ混ぜしたくらい複雑だ。

 

 どうか…どうかカレーにモンブランは混ぜないでください。

 と、願うばかりです。

 

 だれも入れないですね、きっと。

 

 まぁ、隠し味にチョコレートを入れるってのは、伺ったことがありますね。

 

 …でも、がっつり一枚かたまりが入っていたら…イヤです。

 

 そんな複雑なおもいで日曜日を迎えました。

 

 ウェルカム日曜日。

 と、呼ばなくてもやってくる日曜日。

 

 

 そして、呼ばなくても優花もやってくる。

 

 一人楽しく朝ごはんを食べているといつのまにか、いただきます‼︎と優花もむしゃむしゃとオレのサラダをつまんでいた。

 

 ⁉︎

 

 いつのまにっ⁉︎

 

「あ、うん!美味しい!」

「そ、ならよかった。てか優花絶対来ると思ったから優花の分あるよ。ほら」

 ともう一つのラップのかかったサラダを差し出すと優花は、

「あぁ、それは真樹弥が食べて。わたしこっちで充分だから」

 とむしゃむしゃ食べ続けた。

 

「でも…それオレの食いかけだし」

「いいよぅ、だってもう何回も食べかけもらってるし〜、いまさらだよー」

 とモグモグしながらはなした。

 

「あー、オレとそういうの平気だもんな」

 グフっ

 優花がむせた。

 

「へ、平気っていうか…慣れみたいなっ、ゴホッ」

 

「わかったからー…、ほらお茶」

「あー、ありがとう」

 

 まったく優花は…。

 

 

 朝ごはんが終わると二人で昨日の花火楽しかったねーと言いながらゲームをした。

 

 ただいつものゲームじゃつまらないよねとなり、負けた人が勝った人のいうことをきこう‼︎ということになった。

 

 

 なにしてもらうかなぁ?肩揉みとかいいなぁなんて思いながらゲームしていると…

 

 まさかのオレ敗退…。

 

 そして優花はオレに、わたしを十秒見つめて。

 と言った。

 

 うん。わかったと見つめるとそれで終了だった。

 

 ⁇なに…いまの変な儀式みたいなやつ…。

 

「えっ、優花…それで終わり⁇」

「うん‼︎そだよ。ほらもう一回戦やろ?」

 とゲームの続きが始まった。

 

 な、なんだったのだろうか…?

 

 よくわからないけど、二回戦も優花が圧勝…

 

 クッ…

 

「それじゃあ、次は…真樹弥が彼女できて一番最初にすることをわたしにしてみて?」

 だった。

 

 …

 

 たぶんオレ…キスするかもだなー…。

 

 でも、優花にそんなことできないし…。

 

 優花をジーッとみながらしばらく放心状態。

 

 えっとー…

 

 とりあえず… 

 

 

 ムギュ〜っとハグをした。

 

 そしてオプションで

「大好きだよ」

 と囁いた。

 

 すると優花は、真っ赤になり

「はっ…恥ずっ…真樹弥…恥ずっ」

 といいながら自分の真っ赤なほっぺに両手をあてていた。

 

 めっちゃ照れるじゃん。

 

 オレもなんだか恥ずかしくなったわ…。

 

 

「さ…ゲームし…しよ…」

 とテンパりながらゲーム開始。

 

 

 そしてやっとオレが勝ちましたーー‼︎

 

「肩を揉みなされ」

 と肩を差し出すと優花は、丁寧にモミモミしてくれて夏のアイスくらい溶けてきたと思っていたらいきなり、

「はぁい♡終わりましたよ〜」

 と耳元で囁くじゃんっか‼︎

 

「おわっ…、びっくりしたー」

「あはは」

 

 呑気に優花は、笑っていたけどさ…

 

 もうゾワゾワしたよね…

 

 

 続く。

 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る