告白の練習

 やっと元気を取り戻しつつある優花。

 

 

 優花は、オレの特訓をしてくれるというがたぶん…どんなに特訓をしたところでオレは、どうしても優花に発情してしまうだろう。

 

 …だって、大好きなんですもの。

 

 でもさ、オレ優花が好きだから暴走しちゃうんだ。なんて言えるわけもなく…

 

「気を取り直して、明日からきちんとお互いがんばりましょう‼︎」

 と、握手を求められた。

 

 …

 

 あぁー…、とりあえず優花が明日は、普通の格好でいてくれることを願った。

 

 

 でもさ…次の日優花は、またとんでもなく可愛らしい格好をしていた。

 

 

 …

 

 終わったー…

 

 

 あー、かわいいんですけどーーー⁉︎

 

「ゆ、優花…かわいい」

「え、ほんと?嬉しい」

 と、眩しい笑顔ビームをオレに浴びせてくるじゃないかーーっ‼︎

 

 

 すると優花は、

「今のは、加点されますよ。かわいいって伝えるのは、いいことですね。」

 と、いきなりいい評価をいただけた。

 

 

 てかさ…、優花はなぜそんなかわいい髪型をして、そんな首のところにリボンついたワンピースみたいなやつ着てるの?

 

 あとさ、その揺れるイヤリング…キラキラしてて目が離せない。

 

 オレは猫なのかっ⁉︎

 前世、猫だったんじゃないかっ⁈ってくらいゆらゆらしているイヤリングが気になるっ‼︎

 

「ふふ、それじゃあ!もしもデート開始いたしますっ!」

 と、優花が張り切り出した。

 

 

 ⁉︎

 

 もしもデート⁉︎

 

「え、何それ…」

 

「そのままの意味よ。もしもデートに行くことになったら!ってこと。」

 

「あー…」

 

 えっとー…

 どうすりゃいいんだよ⁉︎

 

 これから外にデートしに行くの?

 でも、オレ…優花のそのおしゃれに釣り合わないラフなパーカーっすけど…。

 

 着替えてこよっかな…。

 

「あのさ、オレの格好…ラフすぎるから…」

「うん、大丈夫だよ。だって今日は、おウチデートだから」

 

 …あぁ、そうか。

 なら優花も、もっとラフな格好にすりゃいいのに。

 

 ま、かわいいからいいけどさ。

 

「で、おウチデートって何すりゃいいんだろう?」

「そうねー、なんだろ?」

 

 …二人とも実はおウチデート未経験だった。

 

 とりあえず二人して、ベッドに座って考えた。

 

 …

 

 ベッドにかわいい幼馴染が座っている…

 もうこの時点ですでに試練開始じゃないかっ‼︎

 

 なんですかっ⁈

 なんでこのような状態にっ⁉︎

 

 オレが戸惑っていると優花は、

「ねぇ、デートの前に普通…あれだよね?告白…しなきゃはじまらないよね」

 と言ってきた。

 

 …たしかに。

 

「あー、そう…だけどでも…」

 

 でもさ…告白って…

 

「わたし、はじめに告っていい?」

 と、なぜか告白の練習が始まった。

 

「あぁ、うん」

 とオレが返事をすると優花がオレの目をじっとみた。

 

 そして、

「ここは、彼氏の部屋設定ね。」

 と、設定まで細かく決めていた。

 

「あのさ、付き合う前にもう男の部屋入ってるんだ?」

 と疑問がると、

「いいの‼︎そこは、スルーしてよ」

 とプンスカした優花。

 

 

 へー…

 

 そうっすか…。

 

 なんか、想像しただけでも軽くヤキモキするオレ。

 

「はい、じゃあそこはスルーして好きな男の部屋で…しかも、ベッドの上での告白どうぞ!」

 と、優花をじっとみた。

 

 すると優花は、恥ずかしそうに本当の告白をするかのような表情をして、

 

「あの…、ずっと好き…でした。」

 と言った。

 

 だからオレは、食い気味で

「うん、オレも好きー」

 と言いながら優花を押し倒した。

 

「ちょっ…な…、なんで押し倒すのよ」

 とまたプンスカする優花。

 

「そりゃ、ベッドの上でそんなこと言うからだろ」

 と押し倒した優花をじっとみた。

 

 しばし無言の優花。

 

 しばらくすると優花が起きあがろうとしたのでロックした。

 

「ちょ…起きらんないじゃん…」

 

 …

 

 オレは黙ってロックを続けた。

 

 すると優花は、

「わたし…やっぱり告白する場所変える」

 と言い出した。

 

「うん‼︎それがいいよ。ベッドはハプニングしかないから!」

 と張り切ってこたえた。

 

 …

 

 オレは優花の恋を応援しているのか…じゃましているのか…。

 

 

「…ならさ、今度は真樹弥…告白の練習どうぞ」

 と促されたので次はオレの番。

 

 じゃあ、はじめるとしよう。

 

 

「オレの告白場所は……優花の部屋ね」

 

 …

 

「え、そりゃ今はそうだけど…本番のつもりで挑みなさいよ」

 と怒られてしまった。

 

 …本番か。

 

 オレは優花が好きなのだからたぶん優花の部屋がベストなんだが…。

 

「いや、真面目に本番も優花の部屋で。」

 

「やだよ!なんでわたしの部屋に真樹弥と真樹弥の好きな人招待しなきゃならないのよ…そんなの…困る‼︎」

 と言い切った。

 

 まぁ、そりゃ本当なら迷惑だわな。

 

 でも、オレの好きな人優花だし…。

 

 仕方ない。

 

「じゃあ、あいだをとってオレと優花んちの路地にする」

 

 …

 

「あのさー、場所…あいだとらなくていいから」

 と呆れ顔をする優花。

 

「そっかー、ならとにかくそこら辺ってことで優花、ここに立って。」

 と優花をカベに誘導した。

 

 そして、壁ドンをした。

 

 壁ドンは、意外とからだが支えられて楽だと気付いた。

 

 そして、優花との距離がめっちゃ近いということも気づいてしまった。

 

 ち、ちかい…。

 

 あー、このままキスできる距離じゃん。

 

 優花は、練習のためとはいえ…とてもよい表情をしてくださる。

 

 か、かわゆいよー?

 

 こんなに真面目に照れる顔とかされると…こっちも恥ずい。

 

 ってかさ、優花ってめっちゃ演技が上手いんじゃね⁉︎

 

 ほんとに照れてるみたいじゃんっ‼︎

 

 もう…ドラマとか映画に出れますね!

 

 

 

 

「優花、好きだよ。うまれたときからずっとね。」

 

 そしてオレは優花にキスをしようとした。

 

「ちょ、ストップ‼︎」

 

 とめられました。

 

「はい、練習ですからね…。」

「うん、練習だから‼︎ちゃんとやって?」

 と言われてしまった。

 

 

 

「本気でやったよ?」

「えっ⁉︎でも…あれじゃ…わたしに告白してるってことになるじゃない?」

 

 …

 

 あー…

 

 バカだな。

 オレは…。

 

 素で、ガチ告白していた…。

 

 あはは…

 

「そっかー」

 と笑うしかなかったっす。

 

 …

 

 

 続く。

 

 

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