迷い
優花のターン…
オレはどうなってしまうのでしょうか…。
そして、優花の飲みかけのジュースをゴクリといただいた。
「間接キスは、クリアできたわね。」
とにっこりする優花。
クリアした…というか…オレは普通に嬉しいよ?
だって…オレは優花が好きなんですもの。
好きな人との間接キスなんて、ときめかない人いるーー⁉︎
…いませんよね。
心苦しいでございます。
まさか…まさか優花がオレの気持ちを知ってしまったら…
キモい‼︎ってなってさ…ビンタでもくらわされる?
変態バカって言われて…一生口きいてもらえないかもだよ?
どうする?
言っちゃう?
オレは優花が好きだから変態な気持ちで優花に接していますって白状する?
普通に言ったら気まずいから、このさい白目でいう?
…どうしたらいい⁇
優花のおかあさんに相談する?
そしたら、もう優花と一生遊ばないように言われちゃう…かな?
相談する相手違うか。
…
じゃあ、優花のおとうさん…は、もっとないっす‼︎
それこそビンタとかじゃすまないかもだよな…。
おとうさん、優花大好きだし…。
まさか幼馴染の変態が取り憑いてるなんてわかったら成仏されちゃうかもだよね…。
へへへっ…。
もう…笑うしかないよね。
…
「はいっ、じゃあー次ね」
楽しそうにグイグイくる優花。
「次って…何を…」
「じゃあ、目をつぶってくださぁい」
「え?目を?優花オレにいったい何を…」
「いいからぁ、ほら目‼︎」
と圧をかけられて大人しく目をつぶった。
…
な、なにされるんだよ…とドキドキしていたら優花は、
「お客様ー、かゆいところございませんかぁ?」
なんて言いながらエアーシャンプーしてくるじゃんっ‼︎
「ちょっと?オレそこまでヤバいやつじゃないからね?美容室で女性に触られてムラムラして理性失うとかないからっ‼︎」
と、慌てて訂正。
「あー、そうなんだ?じゃあ、これは?」
…
頭をナデナデされました。
うん。もう…オレどうしたらいい?
…
オレは優花にされると…理性を失うっていうか…
まぁ、今は訓練みたいなものだからなんとかさ…
…
「あー、大丈夫そうかなぁ。」
と、オレをナデナデしながら様子をみる優花。
「あのさー…」
「あ、てか真樹弥って暴走するって言うけど好きな人いないよね?ね⁉︎」
と、ちょい圧がかかった言い方をされた。
…えっとー、、、
「い…います。」
と素直におこたえした。
「えっ⁉︎うっそ…い、いるんだ?だれっ⁉︎」
目を丸くしてくいぎみでくる優花。
そ、そんなにびっくりしなくても…。
まぁ…でも、好きな人は言えないよねー…。
本人目の前にしてさ…それはちょっとね…。
「えっとー、なら優花の好きな人教えてよ。そしたらオレも教える可能性イチパーセント上がるから」
「はっ?イチパーセントって…いや…そんなやつに教えたくないわ」
と、顔をふいっとされてしまった。
「なんでだよー、教えてよ〜」
とオレは調子に乗り優花をグイグイ抱きしめながらきいた。
「ちょっと…、今はわたしが先生なんだからねっ!先生に抱きつく人がありますかっ⁉︎」
と怒られてしまった。
「先生…ぼく、さみしいです。先生が結婚しちゃうなんてイヤです‼︎もう一生離れませんっ‼︎」
と即興の演技をして、またもぎゅうぎゅうした。
あー、オレもう壊れたわ。
自分でもわかる。
だれかとめてください‼︎
オレにブレーキという名のストッパーを与えてください。
てか、まず優花がオレを振り払ってくれればいいだけか。
と、優花をみると…
優花は…
「もぅ、なら先生結婚しませんっ!」
と言いながらオレに抱きつき返しをしてきた。
…
しばし、ほうよういたしました。
…
なんなん?
この突如、始まった劇は…
…
そしてノリのいい優花…
さらには、ほうようが居心地いい。
「オレ、ずっとこのままいたいなぁ」
「うん。わかる」
…
わかるんだ?
好きな人いるのに、オレに抱きつかれてていいんだ?
優花…
優花こそ大丈夫かっ⁉︎
んっ?これは…演技の続きなのだろうか⁇
…
わからない。
優花…これは演技か、ガチか…
しばらく優花とのほうようをしつつ考えた。
…心地いい。
このまま優花に包まれて眠りたい。
って‼︎
そんなこと言ってる場合じゃないっ‼︎
優花って…もしかして流されやすいの?
大丈夫か?
ほんとに優花は、大丈夫ですかーー⁉︎
「はいっ‼︎あなたは不合格ですっ‼︎」
いきなり優花がオレからベリっと離れて不合格を言い渡した。
「えっ…ふ、不合格?」
「そうです。あなたはとにかく不合格なのでまたテストいたします‼︎一週間後ね。またテストするから、それまで…それまでは、まだ好きな人にアタックしないでよね?」
と少しかなしい顔をみせる優花。
不合格を一緒にかなしんでくれるなんて、なんていい先生なのだろう。
「はい‼︎先生、来週のテストよろしくお願いしますっ‼︎」
と、頭を下げた。
「じゃあ、また来週ね。でもテストまでわたしと特訓いたしましょうね♡毎日学校が終わったらわたしの部屋に集合してください。それでは解散‼︎」
と言われたけど…
ここ、オレの部屋…。
そして解散を言い渡す優花は、本を読み出した。
かと思ったら…
本逆さまになってる…よ?
「優花?」
「なに?」
「本…読んでるの?」
「えっ?う、うん。なんで?」
「あー、読んでるならいい。」
少しはてな顔の優花だったけど、本を逆さまに読む特殊な能力でもついたのかと思い放っておくことにした。
で、隣でゲームでもしようとゲームを準備していたら優花が、
「好きな人…」
といきなりいいだした。
⁉︎
好きな人?
教えてくれるのかな…。
聞きたいけど、聞きたくないような…複雑な気持ちだ。
オレの知ってるやつとかだったら、なんか…なんかやだな。
優花とそのうち付き合い出してイチャイチャとかするんだろ…。
気まずいし、辛いな…と、どんどん落ち込んだ。
森に入ってどんどん帰れなくなる不安みたいな心境になった。
おいおぃ…、オレを森に追いやってどうする気なんだ、優花のやつ…。
好きな人からの続きは、言わないのか?
なんなんだ?
好きな人って、もしかして…しりとりなのか?
じゃあ、オレはトから始まるなんかを言えばいいのか?
「と…とさか」
咄嗟にニワトリのとさかが思い浮かんで一応答えてみた。
すると優花は、
「えっ、…そ、そう…なんだ。とさかさんか…」
と、うつむいた。
とさかって言ったのに、とさかさんって言い換える優花。
それじゃあ、ンで終わるよね?
しりとり終了じゃん。
オレの負けじゃん。
優花…何がしたかったんだろう。
よくわからないけど、優花は逆さまの本を持ってしばらく停止していた。
そして、その本を置いて
「かっ、帰るわ」
と、行ってしまった。
優花…
そもそもの目的は、本を借りにきたんじゃなかったのか?
優花は、ただ変態部屋で変態に取り憑かれてしりとりを強制終了して帰って行ったのでありました。
続く。
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