どうしたらいい?

 幼馴染の優花は、本をオレに借りに来ただけなのに、変態幼馴染に捕まってかわいそうに。

 

 そんなかわいそうな優花は、少し部屋で本読んで行こっかな!と、変態部屋に居座った。

 

 …変態部屋に居座るなんて優花もそこそこ変態か?と、仲間ができて嬉しいオレ。

 

 でさ…、オレがゲームを始めたんだけどさ…

 その隣で本を読んでいた優花がいきなりオレの肩に寄りかかって来たわけよ。

 

 ⁉︎

 

「えっ?どうした優花⁉︎」

 オレは優花が気絶してオレに向かって倒れたのかと思い焦った。

 

 そんなに気絶するくらいオレが臭かったか⁉︎とも思った。

 

 でもさ、ふふふとオレの肩にもたれかかって笑ってるんですよ。

 

 

 

「え……、ほんとにどうした?ついに壊れたか?」

 と優花に聞くと、

「好きな人にこうやって甘えたらどうなるかなって練習」

 と言い出すじゃございませんかっ‼︎

 

 なんですって‼︎

 

 そんな練習オレにするなぁ〜〜‼︎

 

 くっそー…。

 

 そんな切ないキュン…あります?

 

 てかさ、優花のやつは…なぜにあげて突き落とす?

 

 オレ…結構…ジェットコースターみたいな心境っすよ?

 

 優花さん…このままで許されると思うなよ…。

 

 オレの肩に寄りかかる優花。

 

 …

 

 オレはそんな優花の肩を抱き寄せて髪を撫でた。

 

 ナデナデ、ナデナデして、そのあと髪をくんくんかいだ。

 

 で、舐めようとした。

 

「ちょっと‼︎な、なにしてるのよっ⁈」

「え、髪を舐めようとしてるのよっ?」

 

「…なんでよ?」

「なんでって…そこに髪の毛があるからじゃないのぅ〜」

 

「あのさぁ、意味わからないし、なんでオカマ口調なのよ!」

 

「それはー、なんとなくオカマになっちゃったのよ。髪を舐めようとしたのは、彼氏がもしも妖怪ペロペロになってしまったら?っていうシュミレーションだゎよぅ♡」

 と言ってやった。

 

「そんなこと起こらないから」

「いやー、そもそもオトコってさ、妖怪みたいなもんなんだって。」

 

 はい?みたいな顔をする優花。

 

 

「あのね、そもそもオトコの部屋にいて二人きりになったら、本なんか読んでらんないぞ?」

「ど…、どうなるっていうのよ?」

 

 

 …

 

 

「こうなるんだよ」

 

 オレは優花を押し倒した。

 

 一瞬焦った顔をした優花は、次の瞬間ニヤッと笑って、まさかのことをしてきたっ⁉︎

 

「すきありっ‼︎」

 といい、オレに抱きついた。

 

 え…

 

 そんな…

 

 押し倒したら、まさかの抱きつかれるとか…あるんだ?

 

 へー。

 

 やるじゃん。

 

「おいおい…、優花さん。そんなことしたらもう妖怪は、化け物に進化しますよ‼︎」

 といい、オレは優花をムギュムギュ抱きしめて首にキスをした。

 

 

 …優花さん?

 

 あなた、取り憑かれているのになぜ無抵抗?

 

 それどころか…あなたって人は…なぜかイヤそうじゃないっ⁉︎

 

 なんなんだ…⁇

 これはどのような状態なのでしょうか…?

 

 

 これはさ、普通…にイチャイチャカップルですよね?

 

 

 練習にしては…自分でいうのもなんですが度が過ぎる…よね?

 

「あのさ、優花」

「なっ…なに?」

 

「優花の好きな人って…オレに似てたりする?」

「はっ?そ…そんなわけ…なぃ…。うん。なぃょ…」

 

 …

 

 そんなわけあるんだ?

 

 その反応は、あり‼︎でしょうよ‼︎

 

 オレがいくら優花の好きな人に似てるからって…そんな…そんなことまでオレで練習したらダメっしょ⁉︎

 

 まったく優花は…ほんとある意味真面目っていうかおバカさんっていうかさー。

 

「優花‼︎」

「えっ、な、なによ?」

「オレは、オレだ‼︎」

「う、うん…」

 

「だから…オレで練習とか…あのー、危険‼︎そう、オレ暴走するからもうやめといた方がいいんだ。」

 と告げた。

 

 もったいないっ‼︎えぇ、そんなもったいないことをっ‼︎って世界中の人が口を揃えていうでしょう。

 

 でも…いいんです。

 それが優花のためです。

 

 オレが変態になって優花がキモがってかわいそうな思いするよりもね…。

 

 うん。

 だから、もう練習なんてものは必要ない。

 

 先生は、無事生徒を送り出す。

 それが先生というものですから。

 

 というわけで、

「優花は、もう合格だから練習なんかしなくても大丈夫だよ。だから…自信持って実践してきなさい‼︎」

 と、目を見開いて応援エールを送った。

 

 さようなら。

 幼馴染。

 さようなら。

 オレの初恋。

 

 ポエムみたいな締めくくりができてよかったです。

 

 と、一人詩人気取りしていたら優花は…

 

「暴走…しちゃうなら…今度は真樹弥が練習しなよ。わたしが先生になるから」

 なんて提案してきたんっすけど。

 

 ⁇

 

 どんなレクチャーしてくださるのだろうか…

 

「えっ…、それはどういう…」

 

「実践‼︎暴走しないために実践するの。」

 と言いながら優花は、オレに擦り寄ってきた。

 

 …レクチャーじゃなかった。

 

 実践…だった。

 

 

「ほら、突然甘えられても暴走しないようにして?まずどうすると思う?」

 と、なぜか今度は優花がオレの恋愛の先生に…。

 

「あの…ゆ、優花…?」

「なに?」

「オレの先生になるおつもりでしょうか?」

「うん、当たり前。」

 

 …

 

 当たり前…なんっすか。

 

「なら、オレもさぁ…間接キスから始めないとなぁ。」

 とわざと言ってみた。

 

 そしたら、キモいって言われてそこで終わるよね?

 なんて考えていたら…

 

「はいどうぞ。」

 とまさかの間接キスの許可がおりてしまった。

 

 …

 

 え?

 

 いいんですか⁉︎

 

 てか…今度はわたしのターンよ。みたいな優花の顔…。

 

 な、なんか…こわい…です…。

 

 

 

 続く。

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