第2話 地雷


 前回のあらすじ


 フル・・パワー!!


 ◇◇◇


 駆け足になってしまった前編で取り上げていた、建築材料たちの事を先程まで書いていたのですが、ふと、『アレルギー体質』とか、『地震に強い家』とか関係なく「これだけは家造りにおいて絶対にやっちゃいけない!!」という事を思い出しましたので、先にお伝えしておきます。


 これから家造りを始める皆さん。ほとんどの方が、ご家族がいらっしゃると思います。その親子だったり、夫婦だったり、カップルだったりなにがしかのお相手の『地雷』を決して踏み抜いてはいけません。


 家造りは設計が始まれば、決めなければいけない事の連続です。しかもわりと短い期間に次々と決定しなければいけないという時間制限付き。


 その短い期間に関係が悪化してしまうと、下手をすれば家造りそのものが頓挫とんざします。



 あれは忘れもしない6年前の事。[つい先程まで忘れていました(>_<)]


 私達大木夫婦は、二人共『和風の家が好き♪』なので玄関のアルミサッシを和風の引戸にするために、引戸用のサッシカタログを見ていました。


「この中からいくつか好きなの選んでね」

 

「えーと、私はこれが良いな」

 

「あ~、そいつは無理。(笑) だん……」

 

「もういい!後は1人で好きにして!」


「え!?急にどうしたの?」  


「好きなの選んでって言うから選んだのに、無理(笑)なんてバカにして言うから、もうしらない。後は1人でどうぞ」


「バカになんかして無いよ。俺も最初にそれ良いなと思ったから、同じの選んだねって思っただけだよ」


「とにかくもういいから!」

 

「え〜!そんな事言ったって、勝手に1人で全部決めたら絶対に後でもめるだろ・・・」


 まだ間取りも決まっていない時だったので、私は途方に暮れました。きっと私が覚えていないだけで、その会話の前から機嫌をそこねる事を何かしらやらかしていたのでしょう。


 女心がわからない事に、定評が有る私には今でもさっぱりわかりません。こちらからすると、突然相手がキレだしたという感じですからね。


 こじれるその前から決まっていた、奥様の要望『和風の家でステンレスキッチン。一年中Tシャツ1枚で過ごせる家。後はげんちゃんが好きなように建てて良いよ。』を頼りに一人孤独な作業が長い間続きました。


 そうなると楽しかったはずの事が全てストレスになります。3ヶ月位してからようやく奥様の態度が元に戻りました。それまでは大変でしたね。


 家が完成してから1年後位に改めて聞いてみました。


「なんで、あの時あんなに怒りだしたの?」


「ん〜!?・・・上から目線がなんかムカついたからかな」


 はぁ!?

 上からに決まっとろーが!

 

 俺がどんだけ建築やってると思ってるんだよ!


 こっちはプロだぞ!

 

 本業以外の家造りについてだけでも相当な時間かけて勉強したんだぞ!


 家造りに関しての俺とお前の目線の高さなんて象とあり位違うぞ!


 ・・・するってぇとなにかい!?


 俺が勝手に


 お父さん=お母さん>子供達>ペット


 だと思ってたヒエラルキーが、真実は


 お母さん>子供達>ペット>お父さん


 で、その絶対のオキテを勝手に破って上から目線したからブチ切れてらしたって言うんですかい!?



 皆様、自分の知らない地雷原にご注意ください。

 

 違うと、真実は違うと思いたい。

 

 

 


 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る