続・アレルギー体質の家族の為の家造り
🔨大木 げん
第1話 実際にシックハウス症候群になってしまったら
大木げん家にはアレルギー体質の家族が3人います。
『私』•••アレルギー症状は今の所無し
『妻』•••重度の花粉症+ハウスダストアレルギー
『息子』•••重度の花粉症+猫とハウスダストアレルギー+肌トラブル(今は治りました)
『娘』•••虫刺されアレルギー(蚊に刺されると500円玉サイズで腫れ上がり、100%
同居していませんが、実家の母はまだ症状は軽いのですが化学物質過敏症です。
アレルギー体質の人はシックハウス症候群になりやすいと言われていますので、5年前に家を新築した時に気を付けた事についてや、実家の事等について、
このエッセイは 前回のエッセイ[アレルギー体質の家族の為の家造り]の続編ですので、できましたら先に下記URLから前編をご一読ください。よりわかりやすく、お話しをお楽しみいただけるかと思います。(お読みにならなくても1話完結で書いていっておりますので大丈夫です。)
『アレルギー体質の家族の為の家造り』
https://kakuyomu.jp/works/16817330669236786159
また、 建設業界の中の人が語る、地震や減災をテーマにした短編エッセイはこちらになります。この中でもアレルギー体質の方に必要な事も散りばめられていますので、よろしければ合わせてご一読ください。
『地震に強い家ってどんな家!?』
https://kakuyomu.jp/works/16818023212172207110
今回は私の母の話を少し。
冒頭でもふれましたが、私の母は軽度の化学物質過敏症です。きっかけは、おそらく洗面脱衣室のリフォームです。
私が子供の頃の、父世帯の家族は父・母・兄・私・弟の5人家族でした。私が10歳の時に、祖父が隠居屋をお
入居して、その1年後に洗面脱衣室のリフォームをし、床・壁・天井・洗面器具が新しくなりました。ビニールクロスの壁と新建材の床はキレイな仕上がりでした。私達家族は初めて家の中でピカピカの部屋ができたので大層喜びました。
ですが、その3日後から母の苦しみは始まったのです。
母以外の他の4人は洗面脱衣室は、「リフォームしたばかりだからなんか臭いね。」と言っていただけなのですが、母だけは違いました。
その部屋に入ると、目がチカチカし、
その当時は、子供だったのでわかりませんでしたが、完全にシックハウス症候群による症状です。全く同じ環境でも、アレルギー物質の許容量がひとりひとり違う為、体質的な問題で発症する人としない人がいます。
当時は、世の中でもそこまでシックハウス症候群が騒がれていませんでした。その部屋に問題が有るんじゃないかと訴えても、他の家族はなんとも無いので、自分の方に何か問題が有るのかと思ってしまい、母は余計に苦しかったと思います。
そして、とにかく換気をしまくって1年位が過ぎた頃、ようやく症状が軽くなったそうです。これはおそらくVOC(
(我ながら、文章がかたくるしいですね。ここからは、いつものようにくだけた文章で失礼します。)
そして丁度その頃、私が12歳の時に我が家のアホが事件をおこしました!
そ〜ぅです、私がアホなお子さんです。
当時の私は、本気で『かめはめ○』を放とうと日夜修行に明け暮れ、テレビで『スタンド・バイ・ミ○』が放送されれば、友人を誘って4人で授業を抜け出して川沿いを意味もなく探検する、という夢見がちなお子さんでした。
そして家では、3つ上の兄と取っ組み合いのケンカばかりしていました。当然いつも私が負けます。いつも鼻血ブゥです。ケンカの原因は、私が生意気だったという事にしておいてあげましょう。
あっ!別に私も兄もヤンキーじゃないですよ。本物のヤンキーとは、盗んだバイクで中学校校舎を走り出して、鉄パイプでガラスを粉々にしていく方々の事です。(兄の学年の実話です。)私は、ちょっと夢見がちなだけ(>_<)
幸い、私が中学校に入学する頃には先生方の努力の甲斐があって、ヤンキーの皆さんは闇に葬られていました。もしそのまま放置されていたら、目をつけられて、危うく小銭目当てにジャンプさせられるところでした。
そうして、ついにその時がやってきました。
いつものように鼻血を手で拭いながら、「今日はこのぐらいで勘弁しておいてやるぜ!」と言い放って風呂へ向かいます。
脱衣しつつも、先程までのケンカの悔しさがこみ上げてきます。衝動的にそのまま怒りの正拳突き!!
フルチ○で!
ボゴンッ!
な、なんじゃこりゃあ!!
か、壁に穴空けてもうた・・・
お、俺のフル(○ン)パワーすげぇ!
や、やばいよ、絶対に怒られる!
どうしよう、こんなの直るはずない・・・
取り敢えず風呂に入って後は知らんぷりしとこ。
・・・
「あ、あがったょぉ、お、お父さん次どうぞ」
・・・
「な、なんじゃこりゃあ!! おい、げん !
ちょっとこっちにこい!」
「お、俺じゃない! 俺は何も知らない!」
「他に誰がいるっていうんだ!」
朝まで正座で説教コースでした。
その後、職人さんを呼んで直してもらえると思っていた私。しかし穴の空いたところには『いわさきちひ○』さんの、赤い風船を持った女の子の絵が飾られたまま、いつまでもそのままです。
不思議に思った私は罪悪感から、おずおずと父に聞いてみました。
「どうして壁の穴直さないの? 十分反省したから、見せしめはもう良いんじゃないかなぁ」
「ああ、あの穴な。何もしないでそのままにしておく事にした」
「えっ!? なんで!?」
「お母さんがな、修理して、もし次も同じ様に毎日気分が悪くなると今度は耐えられないって言っているからだよ」
「そ、そうなんだ。お母さんそこまで辛かったんだね・・・」
あれから30数年。
今でも『いわさきち○ろ』さん作の絵が飾られたままです。絵は別な絵に変わっていましたが・・・母の身体は相変わらず化学物質に敏感なままです。
1度発症するともう治らない人が大半のようです。私の母の様にシックハウス症候群で苦しむ方が、一人でも少なくなるように願いを込めて、今回のエピソードを執筆いたしました。
皆様も十分にお気を付けください。
◇◇◇
より多くの方に、現在の住宅の現実を知っていただきたいと思っております。よろしければ、♡や☆の評価を是非お願いいたします。
仕事中の失敗談から始まる、クスっと笑っていただきたい『危機一髪』なお話しはこちらです。
短編エッセイ[リアルにタイムリープした!っと思った話]
『第1話 タイムリープ!』
https://kakuyomu.jp/works/16817330669174733688/episodes/16817330669175155899
『第2話 異世界転性!』
https://kakuyomu.jp/works/16817330669174733688/episodes/16817330669266930209
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます