最終話 嘘をつかれたからブチ切れる。
「魔王倒したんだから早く元いた世界に返せ!」
「分かりました。では」
「金は月末に必ず振り込めよ!」
「わかっておる」
足先からドンドンと消えていく。
首元まで来たときに俺の耳にハッキリと王様と神官の会話が聞こえた。
「あっちに戻せば戻ってこれまい。振り込まなくても大丈夫だろう」
「そうですね。最悪の者でしたし金など払いたくありません」
「聞こえたぞ」
その言葉を残して俺は元の世界に戻っていった。
目を開けると俺は教室にいた。
周りの生徒に変わった様子もない。
どうやら俺が飛ばされてから一秒も立っていないらしい。
「……転移!」
俺の身体は瞬時にそこから消えていった。
「はーマジで最悪だったわ」
「理不尽極まりなかったですね」
「もう別世界から転移とかやめよう」
「そうですね」
「おいお前ら!」
「「げっ!」」
「振り込まないとか聞こえたぞ? なに? お前らも魔王と同じ目にあいたいってわけだな?」
「どうして戻ってこれたんだ!」
「世界救った男なめんなよこらぁ! これでわかったろ! 毎月月末に振込がなかったらこの世界潰すからな! 一日でも遅れてみろ! その時は辞世の句でも書いておくんだな! 俺はプールとカレーうどんとあげパンがあるからもう帰る! じゃあな!」
そして俺はただの中学二年生に戻り、プールとカレーうどんとあげパンを堪能した。
今も毎月月末に十万程金が振り込まれている。
あの後もう一回転移して「成人したら税金引いた金額で三十二万振り込まなければこの世界を破滅させる」と交渉し無事了承された。
世界は平和になったのだ。
異世界ファンタジーに転移した主人公が7078文字の中で大半ブチ切れてる小説 なめがたしをみ @sanatorium1014
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